4月16日、今週の土曜日の京都のメインレースはダート中距離戦のアンタレスステークス(G3)が行われる。今年、有力馬の1頭になりそうなのがアスカノロマン(牡5 栗東・川村禎彦厩舎)。
アスカノロマンは現在20戦9勝2着3回という成績を残している。3歳時はレパードステークス(G3)で3番人気に支持されるなど同世代の中では実力は評価されていたが、その後は古馬の重賞の厚い壁に跳ね返されてきたかのような競走生活を送る。
オープンのアルデバランステークス勝ちはあるものの、3歳時のみやこステークス(G3)0.9差の10着、4歳時の昨年のアンタレスステークスは2秒7差の14着、平安ステークス(G3)3秒8差の15着とかなり苦しい競馬を強いられていた。
ところがこの15着に敗れた後の休養が馬を成長させたのか、休み明け初戦のみやこステークスを0.5差の4着に好走するとベテルギウスステークス(OP)0.3差の2着で4歳を終え、明け5歳となった中京の東海ステークス(G2)で念願の重賞初制覇を成し遂げる。
そしてダートの一線級が集まるフェブラリーステークス(G1)でも7番人気ながらコンマ2秒差の3着に好走した。アスカノロマンにとってダートのマイル戦は初めてだっただけに非常に価値のある3着好走だった。
今回は全6勝中5勝を挙げている慣れたダート1800メートルの距離に戻る。昨年の春の重賞で2秒や3秒の大差負けをしていた馬が、秋以降は負けてもコンマ5秒差以内と上位と接戦の競馬ができるようになってきた。
父のアグネスデジタルは若い頃からそこそこ活躍しながら年齢を重ねても豊かな成長力で元気な馬を輩出するのも特徴。
ヤマニンキングリーは3歳時と4歳時に中日新聞杯(G3)と札幌記念(G2)を勝っているが、5歳時は掲示板すら外す競馬が続いたためもうピークは過ぎたのではないかという感じだったが、翌年の6歳時にダートのシリウスステークス(G3)を勝って健在というところを見せた。
今年、急成長を見せている代表的な馬の一頭だけにアンタレスステークスはアスカノロマンにも注目してみたい。