17日の中山メインは牡馬3冠レースのひとつめである皐月賞(G1)が行われる。今年の有力馬の1頭にサトノダイヤモンド(牡3 栗東・池江泰寿)。3戦3勝の無敗でこの皐月賞に臨むことになる。
デビュー戦が芝2000メートル0.4差の1着、2戦目の500万条件も芝2000メートルであり2着に0.6差をつけての1着、3戦目が芝1800メートルのきさらぎ賞(G3)0.6差の1着。
デビュー戦に2馬身の差をつけたロイカバードはこのレースの後、未勝利、福寿草特別(3歳500万)を勝ち素質の高さを見せている馬の1頭である。
2戦目の500万条件は2着に3馬身半の差をつけているが、この時の2着馬はチューリップ賞(G3)4着のクィーンズベスト。
3着につばき賞(3歳500万)1着、前走・若葉ステークス(3歳OP)で1着のアドマイヤダイオウと共に3着以下を8馬身突き放し2着に入線したナムラシングンがおり、4着にはこのレースの後、フリージア賞(3歳500万)で0.7差の圧勝劇を演じ、皐月賞トライアルのスプリングステークス(G2)で2着のマイネルハニーがいる。
3戦目のきさらぎ賞はデビュー戦ですでに土をつけているロイカバードとの再戦が注目を集めたがこのレースでもあっさりと直線抜け出してきて2着のレプランシュに3馬身半差、ロイカバードはそれよりアタマ差の3着だった。デビュー戦でロイカバードにつけた着差が2馬身であり、きさらぎ賞は3馬身半だからこのレースで少し勝負付けが済んだようにも見えた。
今回はそのきさらぎ賞以来のレースとなる。これがサトノダイヤモンドにとってまずポイントとなりそう。
過去10年、きさらぎ賞から皐月賞への直行組は一度も3着以内の入線がないという状態。
きさらぎ賞より1週後の同じ2月に行われる共同通信杯(G3)からは12年のゴールドシップや14年のイスラボニータ、昨年のドゥラメンテなど5頭が直行→3着以内という成績を残している。これ、実は牝馬にも少し当てはまるところがあり、昨年のきさらぎ賞を勝ったルージュバックはこの後、桜花賞(G1)に直行して圧倒的1番人気で9着という結果に終わった。
09年の3馬身半差の圧勝劇を演じたリーチザクラウンも2番人気13着となり、11年の1着馬トーセンラーも5番人気7着。この年の3着馬は3冠馬のオルフェーヴルであり、この馬はその後本番前にスプリングステークス(G1)を経由というローテーション。14年の1着馬トーセンスターダムも3連勝でこのレースを制した後、皐月賞直行で3番人気11着。皆このきさらぎ賞終了後時点では皐月賞でも好勝負を期待されていた馬たちだ。
最もその後の成績を振り返ってみて、単純な力不足だったのかという馬も中にはいるが、今週のサトノダイヤモンドにはこの不吉なデータを吹き飛ばせるぐらいの本質的な能力の高さは当然あると感じる。馬の能力もそうだが、きさらぎ賞から皐月賞へというローテは単純に考えて約2ヶ月ちょっと空くことになる。
2月の厳寒期だとどうしても稽古だけでは馬体が絞り切れないというのもあるかもしれない。それに疲れは残らないローテでも実戦の競馬にいっての感覚や息遣い、反応などどうしても順調に使われている組とは差が多少なりとも出てくると感じる。
サトノダイヤモンドは過去3戦の競馬を見ても非常にレースセンスがあり折り合いもつくタイプでローテーション以外は何ひとつ不安な点はなさそう。そもそも、きさらぎ賞の勝ちタイムが3歳のあの時期に1:46.9である。小回りフルゲートでもペースに合わせて自在性のある競馬もできそうなのが魅力的。
仮にこの皐月賞を落としても、きさらぎ賞からムリしなかった分、ダービーに向けての上昇度やフレッシュさなどで他の馬より有利に働く場合もあるかもしれない。ハイレベルの弥生賞組とはまだ未対戦であり、この点も非常に楽しみである。当然だが、今週はサトノダイヤモンドの競馬からも目が離せない。