牡馬クラシック第一弾の皐月賞(G1)が17日の中山競馬場で開催される。今年、有力馬の1頭としてこのレースに臨むのがマカヒキ(牡3 栗東・友道康夫厩舎)。前走の皐月賞トライアルの弥生賞(G2)を勝って、現在は無敗の3戦3勝。
前走は前半800メートル通過46秒5の、1000メートル通過が59秒5というトライアルでは割と速い展開の中を道中最後方12番手からの追走、4コーナーでは8番手にまで押し上げて直線でもまずエアスピネルを残り150付近で交わし、坂を上がって最後のゴール前では先行抜け出しを図ったリオンディーズを捕らえきった。
上がりの3ハロンはもちろん、あの位置からの差し切り勝ちだからトップの33.6。上がり2位タイの2着リオンディーズと3着エアスピネルでも34.4。
これだけを見ても強烈な瞬発力がマカヒキには備わっていると感じる。
2走前の若駒ステークス(3歳OP)では1000メートル通過63秒4の超スローの流れだったが、ここでも32.6の脚を使っている。
ちなみに父のディープインパクトも現役時代にこの若駒ステークスを走っており、1000メートル通過59秒3の流れたラップを後方から33.6の脚を使って5馬身差の圧勝劇を演じた。
この時の上がり2位が35.0であり、これを1秒4も父のディープインパクトは上回っていた。
マカヒキも弥生賞で2強の上がりタイムを0.8秒も上回っており、やはり現時点ではこの瞬発力は他陣営から見れば非常に脅威だと感じる。
マカヒキの全姉に京都牝馬ステークス(G3)、CBC賞(G3)勝ち馬のウリウリがおり、母の父がフレンチデピュティという血統。
父・ディープインパクトに母父・フレンチデピュティは秋華賞(G1)とジャパンカップ(G1)を制覇したショウナンパンドラや13年にエピファネイアやキズナなどを撃破して弥生賞(G2)を勝ち皐月賞でも4着に好走したカミノタサハラなどがいる。
姉のウリウリもマイルとスプリントの重賞を勝ってはいるが、3歳時は1800メートルの小百合ステークス(OP)で2着、秋華賞トライアルのローズステークス(G2)で3着などに好走しており、全く中距離が走れないわけではない。
マカヒキ自身もレースぶりを見ていると、少なくとも皐月賞や2冠目の日本ダービー(G1)までは距離的な心配はないと現時点では見ている。この馬の場合は気性がすこぶる大人しいため道中の折り合いも問題なしでありこの点も魅力的。
今年はサトノダイヤモンドやリオンディーズなどがおり、その他の伏兵陣も豊富に揃っている。通常なら確勝と叫びたくなる戦績とタイムを持ってはいるが、今年はまだその言葉は早いかもしれない。能力通りに決まらない競馬が多いのも中山2000メートルの難しいところである。
総合能力の高さでサトノダイヤモンド、爆発力ならリオンディーズ、そして瞬発力のマカヒキだと現時点では見ているが、皐月賞終了後にはまたイメージがガラッと変わる可能性もある気がする。まだ競馬の経験が少ない3歳馬であるため、この点は毎年難しいと感じる。
何はともあれ3強が故障なく出走してくるのは非常に嬉しい限りである。今年の皐月賞は非常に楽しみな一冠目となった。歴史に残る好勝負を期待したい。