3歳牝馬クラシック第一弾の桜花賞はジュエラーが制し、次の第二弾のオークスに向けての争いが始まりました。今週はそのオークスへのトライアルレースのフローラステークスが行われます。まだ賞金が足りない馬にとっては貴重なレースという事でフルゲート18頭が揃いました。さすがに小粒なメンバー構成は否めませんが、過去にもフローラステークスを好走した勢いでオークスを制した馬が居るように、新星となる馬が現れるかもしれません。
出走メンバーは一長一短。左回りの2000mを勝ったエマノンが素質開花か?
その新星候補として注目したいのがエマノンです。エマノンは、5戦目となった未勝利戦の中京2000mでようやく勝利をあげました。C.ルメール騎手の好騎乗もあったのでしょうが、左回りか2000mかにエマノンの適性があったから勝てたのでしょう。何せ、勝ち時計が素晴らしい。確かに高松宮杯でレコードが出るような馬場ではありましたが、1分59秒7で2分を切るというタイムは優秀です。馬場差はあるとは言え、今回のフローラステークスに出走する馬で他にも2000mを勝ってきている馬はいるのですが、次に速いタイムはクイーンズベストの2分1秒8ですから、この2秒以上も速いのです。さらに、同じ2000mを勝った馬達の中で唯一の左回りのコースでの勝利ということもあって評価は高いです。
かつてなら小回りで先行有利のローカル競馬場の中京でしょう?とフロック視していたかもしれませんが、新装となって以来、直線の坂が意外にきつくなかなか時計が出ない力の要る競馬場となっています。その中京競馬場での勝利とタイムには従来以上の価値があると見てよいでしょう。
今回のフローラステークスは、アネモネステークスを勝ったチェッキーノとはじめ、クイーンカップ2着のフロンテアクイーン、良血パールコード、常に重賞でも上位のクロコスミア、注目馬の1頭だったアグレアーブルなど有力馬も多数出走します。しかし、それらの馬達と比較してもエマノンは充分買える馬です。馬体重は490kgと2番目に大きい馬体で存在感がありますし、血統を見てみてもお兄さんにきさらぎ賞の2着馬バンドワゴン(今はケガで休養中ですが…)などがいたりと悪くない血統です。バンドワゴンと言えば、トーホウジャッカル世代→昨年の有馬記念を勝ったゴールドアクター世代でかなり強いと言われ、注目されていた馬でした。バンドワゴンのお父さんがホワイトマズルでしたから、お父さんがハーツクライに変わったことで、さらに成長力も期待できる馬なのです。
上記の理由から、フローラステークスは左回り2000mを勝利したエマノンが隠れた素質を魅せてくれるでしょう。