牝馬クラシック第一弾の桜花賞(G1)が終了して、今度はもうオークス(G1)への戦いが始まる。24日の東京メインはオークストライアルのフローラステークス(G2)。力的には拮抗した組が集まった感じだが今年の注目馬の1頭はファイアクリスタル(牝3 美浦・小島茂之厩舎)。
賞金面ではオークス出走が厳しい
現在は3戦1勝で本番・オークスへの切符が手に入る3着にまで何とか入線しておきたい馬だ。
ファイアクリスタルのデビュー戦は昨年の10月の東京1600メートル。800メートル通過タイムが48秒7と新馬戦特有のスローの流れを道中は6番手のインコースから追走という形。折り合いは何とか我慢できていたというぐらいだったが直線は狭い内からスルスルと抜け出してきての0.1差の1着。
この時点では特に派手な競馬もしたわけではないし、特に注目を集めていたわけではなかったが、この馬が次走に選択したのがクラシックを狙う強力な牡馬陣も参戦することが多い共同通信杯(G3)だった。このレースは前半1000メートルが60秒ジャストの平均ペースとなり、ファイアクリスタルは中団から進めたがこの日はある程度流れたペースもよかったのか前走よりは折り合いもついていた。直線では狭いところに入ったが内からしぶとく伸びてきて5着と健闘した。
勝ち馬は先日の皐月賞を豪脚で制したディーマジェスティであり、この馬には1秒1差と完敗を喫したものの、この時先着した馬の中には3月の毎日杯(G3)を上がり32秒7の爆発的な末脚で快勝したスマートオーディンらがいる。
もちろん、この日のスマートオーディンはスムーズな競馬ができなかったために大きく着順を落としてしまっただけだが、ファイアクリスタル陣営としては2戦目で牡馬相手にこれだけの競馬ができたから収穫もあっただろう。
前走はマイルの500万条件戦だったが800メートル通過・46秒5と割と流れたレースとなりファイアクリスタルは道中10番手前後から追走、直線では上がり最速タイの34秒9の末脚で追い込んできたがコンマ2秒差の3着までという競馬に終わった。
今回はそれ以来のレースとなり、初の2000メートルがポイントとなるが、父がネオユニヴァース、母父がデインヒルダンサーという血統。父のネオユニヴァースはヴィクトワールピサやロジユニヴァースなどが産駒にいるが、母父のデインヒルダンサーは09年の英・愛リーディングサイアーだが基本的にはマイル近辺で良質な産駒を輩出している。
ただ、配合によっては中距離をこなす産駒もいるため、父がネオユニヴァースであればそこまで神経質にならなくても大丈夫そう。キャリアわずか2戦目での共同通信杯善戦があるだけに、牝馬限定戦の中距離戦であれば少し期待もしてみたくなる。
前走の敗退は初の中山で外々を回らされたことも影響した可能性がある。今回はデビュー戦1着、共同通信杯5着と走りが安定している東京に戻るのもプラスになりそう。
過去の競馬を見ていると使える脚はそこまで長くなさそうなタイプだけに乗り役も難しいと感じるが、上手くハマれば上位3着までの入線も十分に可能なはずだ。