日本G1の最長距離レース「天皇賞・春」が28日、京都競馬場で行われます。中距離のレースが花形になりつつある競馬界ですが、騎手の技量が大きく問われたり、ならではの血統が活躍できるといったように、長距離には長距離にしかない魅力があります。
天皇賞・春の歴史は長く、ナリタブライアンVSマヤノトップガンや、メジロマックイーンVSトウカイテイオーの2強戦が思い起こされるように、これまで多くの競馬ファンを沸かせてきました。
ただ今年は、頭数は少々寂しい13頭ということに加え、G1馬は昨年の菊花賞馬フィエールマン1頭のみということで、例年以上に意外な結果となる可能性も秘めております。
そんな中で、今回とくに注目しているのはクリンチャーです。
クリンチャーは2017年の菊花賞で2着、昨年の天皇賞・春で3着に入るなど長距離のG1戦線で活躍しておりますが、昨年の天皇賞・春以降は、凱旋門賞を目指した前哨戦のフォア賞で6着、本番の凱旋門賞では17着と大きく敗れ、復帰後の有馬記念でも15着、今年初戦の日経賞でも7着と結果が出ておりません。
しかし、今回の舞台は昨年の天皇賞・春ぶりとなる京都。通算成績14戦(3-1-2-8)のうち、馬券圏内に入った6回中4回は京都でのもの。それ以外の競馬場では一度も馬券圏内に入っておらず、京都コースは「2-1-1-0」という典型的な京都巧者です。
昨年天皇賞・春以降のレースはフランスのロンシャン競馬場と中山競馬場の2場のみ。初の海外遠征であったフランス遠征に、4戦4敗(0-0-0-4)の中山では致し方のない結果だったと言っても良いかもしれません。
となると、久々の京都競馬場ならいきなり好走も十分にあるでしょう。さらに、鞍上の三浦騎手とのコンビは今回が3度目で、初めてのコンビとなった昨年の天皇賞・春では3着になるなど、愛称の良さは証明済みです。
前走の日経賞はその天皇賞・春ぶりの騎乗で7着に敗れてしまいましたが、スタミナが活きるレースとはならず、最後は無理に追わずに終えました。本番に余力を残し、叩き台としては良いレースだったと言えるでしょう。
今回は得意の京都が舞台で、鞍上との慣れも見込めるため、クリンチャーが復活する下地は
十分あります。成績が低迷していた中で2016年には落馬による大怪我で長期休養を余儀なくされ、様々な困難にぶつかってきた三浦騎手ですが、昨年からは少しずつ成績が上がってきており、今年は現時点で昨年以上の成績を残しておりますので、騎手もまた復活の兆しが見え始めていると言って良いのではないでしょうか。
人馬共に復活気配のクリンチャーと三浦騎手のコンビなら、この天皇賞春で完全復活を果たし、共にG1初制覇を果たしてくれるでしょう。ということで、今年の天皇賞・春はクリンチャーと三浦騎手の復活Vに期待した馬券で挑みたいと思います。