新潟競馬場の直線1000mコースは、直千という用語まで生み出した特異なコースですが、コーナーがないだけにスピード感は抜群であり、普段踏み荒らされることの少ない外枠側が走りやすく、他馬の妨害にならないように進路を探っていくあたりが単なる力比べとは異なる見応えもあり人気を得ています。
スタートダッシュを決めたカルストンライトオが一目散に外ラチへ向かい、そのまま押し切るなど印象的なレースも多く生んできたコースですが、今週はそんな直千コースで4歳以上オープンのハンデ戦、韋駄天ステークスが日曜新潟のメインレースに組まれています。
フルゲートは16頭に対し32頭が登録と陣営側からも大人気のレースとなった今回。過去5年を見ると前走1着馬が4勝と、力通りの結果になることの多いレースではありますが、唯一の例外となった2015年のフレイムヘイローは前走10着からの参戦で15番人気での勝利となり、前走2桁着順だった馬も馬券には絡んでくることも多く、穴か本命か悩ましいレースでもあります。
そこで今回注目したいのが、今年に入って2戦シンガリ負けを続けながら、3戦目となった前走の邁進特別で5馬身ちぎっての楽勝を飾ったライオンボスです。前走で圧勝とは言え15番人気からの昇級初戦、さらに準オープンを飛ばしていきなりのオープンクラスですが、今回人気の一角として注目されている理由がその戦績にあり、デビュー以来芝、ダートいずれにせよ1000mでのみ勝利をあげているスペシャリスト的存在であり、前走も1000mという短距離で5馬身差を付けた圧倒的パフォーマンスはクラス違いと言えども充分に通用するという評価でしょう。
中一週ときついローテーションになりますが、500万下を脱出したときも同様であり、逆に期待感のもてるローテーションとも言えるかもしれません。登録馬の半数が除外となる激戦区ですが、出走馬決定順で10番手と除外を気にせずに調整も積めます。1200m以上になると途端に成績が落ちるというのは陣営も意識しているところで、昨年は中一週で勝利した翌週にさらに連闘といったように、1000mレースの開催がある夏競馬のうちにしっかりと結果を出しておきたいという意図が見られます。
主戦らしい騎手は固定されていない馬ですが、前走でコンビを組んだ鮫島騎手を再度迎え、良いイメージを引き継いで出走できます。ハンデ戦だけに一筋縄ではいかない展開もありますが、格上挑戦の直千スペシャリストがオープンでどういった走りを見せるか注目したいです。