桜花賞からNHKマイルカップという変速ローテーション。このローテーションと言えば11年前両レースを制したラインクラフトと同年桜花賞3着NHKマイルC2着だったデアリングハートを思い出す。
今年このローテーションを組んだのは桜花賞断然の1番人気で4着に敗れたメジャーエンブレム。ダイワメジャー産駒はそのイメージ通り距離が短いほうに適性があるという分り易い種牡馬という印象があるので、牡馬の交じるレースではあるが、距離が1.5倍もあるオークスではなくNHKマイルCにしたのは正解ではないかと思う。
スピードがなく持久力が勝ったタイプは長距離で活路を見出している産駒もいるが、基本的には芝・ダートを問わずマイル前後が主戦場、OP馬となると身上のスピードを武器に芝のマイル前後に適性があるのはより顕著で、芝・ダート・距離に関係なく切れる脚がないのが共通、故に脚質もほとんどが逃げ・先行と、スピードと持久力、馬力が武器だったダイワメジャーの現役時のイメージそのままという印象である。
メジャーエンブレムは母父オペラハウスということで、全兄2頭は前述したスピードがないタイプなのだろうが、性別の違いによるものなのか、兄らとは異なり母父オペラハウスが良い方に出ている印象で、秋は牝馬三冠路線を使う程度の距離の融通性はありそうだし、スピードが削がれることなく地力強化に繋がっているように思う。
あとはレースでのスタートが多少気がかりだが、もしまた桜花賞のようなスタートになったとしても、続けて同じミスはしないだろうし、今度は持ち味を活かした積極的なレースをしてくれるのではないか。