すべてのトライアルが終了し、いよいよ3歳馬の最高峰、日本ダービーが目前へと迫っています。3歳馬にとってはここで一区切りとも言えますが、秋へと向けて始動する馬もいます。
そんな一頭に挙げられるのが、デナリ(牡・田村厩舎)です。父マンハッタンカフェに、母ランフォザドリームは現役時に重賞2勝(マーメイドS、朝日チャレンジC)を挙げ、GIエリザベス女王杯でも2着に食い込む活躍を見せました。1着メジロドーベル、3着エアグルーヴのレースでしたので、そのレベルの高さは推して知るべし。そして、競走成績ももちろん一流ですが、それ以上に素晴らしいのが繁殖牝馬としての資質の高さでしょう。
初仔のフィーユドゥレーヴが函館2歳Sを勝ち、6番仔となるオウケンサクラはフラワーC1着→桜花賞2着と活躍。9番仔のヤマノウィザードも2勝とはいえ、青葉賞3着と素質の高さは示していました。仔出しの良さに加えてクズの出ない血統。ビワハイジ、シーザリオのような派手さはなくても、これだけの活躍馬を送り出しているわけですから、名繁殖牝馬の1頭と言っても過言ではありません。
そして菊花賞へと向けてもう一つ、大きな武器となるのが母父リアルシャダイの存在。短距離でさえスローになってしまう今は、何でもかんでもディープ産駒で血統の意味があまりなくなってしまいましたが、一昔前は「長距離と言えばリアルシャダイ」と言われたほど定番となっていた血統。馬券でもお世話になった方が多いかと思います。
デナリもまだ2戦のみですが、スパッと切れた感じではなかった前走の勝ちっぷりから、いかにもステイヤーの匂いが。父母両系とも、ジワリジワリと力をつけた晩成型で、成長期はここから。「偉大なもの」を意味する名前を持つデナリ。その名の通り、秋には偉大な馬へとなれるでしょうか。注目の夏木立賞は、5月14日の東京9レースです。