今週から開幕する福島競馬の開幕を飾るのは3歳馬限定の「ラジオNIKKEI賞」です。3歳限定の重賞でただ一つのハンデ戦という珍しい条件の中、例年様々な路線から色んなメンバーが出走するため、メンバー構成もレースの予想も難解な一戦として知られております。
今年のメンバーを見渡してみますと、毎日杯を勝利し皐月賞にも出走したランスオブラーナを初め、昨年末のホープフルSに出走したブレイキングドーンやヒルノダカール、唯一ダービーに出走したマイネルサーパスといったクラシック路線を闘ってきた馬達に加え、1勝クラスを勝ち上がって勢いをつけてきた馬など、今年も幅広いメンバーが集結してきました。
そんな中で注目しているのはヒルノダカールです。
ヒルノダカールは、2歳時にホープフルSでサートゥルナーリアから0.7秒差の7着に敗退後、条件戦で奮闘しますが思ったほど結果を残せず、クラシック路線に乗ることはありませんでした。前走は、リステッド競走の白百合Sに出走し4着という結果を残し、今回のラジオNIKKEI賞へと駒を進めてきました。前走も6番人気と前評判はそこまで高くなく、メンバーが強化される今回も人気はそこまで高くなることは無いでしょう。
ただし、今回は各馬のレベル差が縮まるハンデ戦。ヒルノダカールのハンデは53kgとなっており、G3ウィナーのランスオブプラーナがトップハンデの57kgということを考えると、恵まれたハンデと言えるのではないでしょうか。
2歳時に出走したホープフルSでは7着に敗れましたが、今回出走するブレイキングドーンは5着に入着しており、着差はわずか0.1秒でした。その時は同斤量の55kgでしたが、今回ブレイキングドーンは55kgでヒルノダカールは53kgと2kgの斤量差があります。一般的に斤量1kg差につき1馬身や0.2秒と言われておりますので、単純計算だけなら逆転するだけのハンデの恩恵は十分得られていると言えるでしょう。
さらに、ヒルノダカールと同じく2走前に1勝クラスを勝利して1戦挟んで臨んできた馬は他に4頭おりますが、うち3頭は54kgとなっており、近走の似通った成績の馬たちよりも1kg恵まれております。
そして週末は雨予報ということで、力の要る馬場になりそうな点もヒルノダカールに味方しそうです。馬体重だけが力の証明ではないですが、軽い馬よりも重い馬の方が力の要る馬場にも対応できる可能性は高そうです。今回の出走馬16頭のうち、500kgを超える馬体重の馬はヒルノダカールとディキシーナイトの2頭しかおりませんので、渋った馬場が吉と出る可能性もあります。
ということで、今回はハンデに恵まれた馬力型のヒルノダカールが好走すると予想し、秋に再びクラシック路線に戻ってきてくれることに期待したいと思います。