先週1日、ハービンジャー産駒の5歳牝馬ディアドラがイギリスで行われたG1ナッソーステークスを制しました。今年は凱旋門に挑戦する日本馬の話題が様々な諸事情もあり色々と移り変わっておりますが、馬場が合いそうなディアドラにはぜひとも挑戦してもらいたいものです。
これまでにもブラストワンピース、モズカッチャン、ノームコア、そしてディアドラとG1馬を輩出しているハービンジャー産駒ですが、馬場が重くても速くても結果を残している点で底力を証明しています。惜しくも先月亡くなったディープインパクトの産駒の活躍は周知のところですが、ハービンジャー産駒の底力も侮れず、今後も注目していく必要があります。
今週新潟競馬場で行われる「関屋記念」は、ディープインパクト産駒が18頭中7頭もいることで弔い合戦的な雰囲気もありますが、私が注目しているのは唯一のハービンジャー産駒の「サンマルティン」です。
サンマルティンは父ハービンジャー、母ディアデラノビアという良血馬。新馬戦は新潟の1600mで、1番人気の期待に応えて快勝しました。しかし、その後は4戦して一度も勝てずに良血馬ながら去勢の選択が取られてしまいました。競馬が苦しくて嫌になったという理由からの苦渋の選択だったそうですが、その選択が良かったのか、セン馬復帰初戦を快勝し、復帰6戦で4勝しオープン馬となり、初めての重賞挑戦となった小倉記念で2着と素質を開花させました。
その後はオープンを1勝したのみですが、今年初戦の中山金杯では勝馬ウインブライトから0.3秒差の9着、前走の都大路Sでは勝馬ソーグリッタリングから0.8秒差の6着と大きくは負けておりません。そろそろ重賞制覇もと思われるころに、同じハービンジャー産駒のディアドラの海外G1制覇と産駒の好走も後押ししており、サンマルティンもこれに続きたいところでしょう。
新馬で新潟1600mを快勝しているのも強みですし、今回鞍上が新潟が大得意の津村騎手への乗り替わりもプラスとなりそうです。今年の関屋記念は、ルメール騎手、戸崎騎手、田辺騎手、三浦騎手、デムーロ騎手とリーディングトップ10の騎手が5人も出走しますが、人馬ともに新潟巧者で、相手関係的もそこまで大きな差はなく、血統的な勢いもあるサンマルティンなら好勝負は十分期待できます。
ということで、関屋記念はサンマルティンが、新潟での津村騎手とのコンビでハービンジャー産駒の底力を見せつけてくれると思っております。