どれだけ技術を積み上げ注意を払っていたとしても、全ての馬を完全にはコントロールしきれない。400kg以上にも及ぶ大型生物に騎乗する騎手は、どこまでいっても常に危険と隣り合わせであり、どうしても危険は避けられない職業でしょう。
一度でも落馬を経験したらその後に恐怖が残るのではないかと素人目にも思いますが、重傷を負ってなお長い入院生活やリハビリを経て戦線復帰してくる騎手たちには敬意を払うしかありません。美浦では大事故から復帰した三浦騎手が今年、勝ち星を順調に積み重ねており、馬には“無事是名馬”というように、人にも当てはまる部分は大いにあるのではないでしょうか。
さて今回は、そんな負傷より8月から復帰してきた北村宏司騎手のきじょうするワイルドカードに注目してみたいと思います。出走するのは日曜新潟の10レースに組まれている柳都ステークス。昨年の夏には早い時計がでる馬場でなんと圧巻の9馬身差を付けた勝利を演じており、暑い夏の季節を得意としている馬です。
舞台は昨年の福島と異なり今年は直線の長い新潟競馬場になりますが、前走3着で休み明けを一叩きした今回は良化も見込めます。オーナーもゴドルフィン、生産もダーレージャパンということで社台系が席巻する日本競馬に風穴を開けるべく新しい血を積極的に導入してきているオーナーブリーダーですので、一戦一戦の積み重ねでパイプを太く強固なものとしていきたいものです。
中2週は若干使い詰めな印象もありますが過去に1度経験して勝利してもいるためそれほど問題視する必要もないでしょう。上位人気は予想されますが、勝ち負けを期待して狙ってみたいところです。