「名は体を現す」という言葉もありますが、必ずしもそうとは言い切れず、むしろ少数例といえることなのでしょう。今週日曜の新潟9レースに出走するアンブロークンは、直訳すれば「切れ目のない」「壊れていない」「完全な」といった意味になりますが、昨年の新潟2歳ステークスを最後に1年の休養を余儀なくされ、今週久しぶりの復帰戦を迎えることとなりました。
名前とは正反対の経歴となってしまったアンブロークンですが、前走の新潟2歳ステークスでは後のNHKマイルカップ2着馬となるケイデンスコールにクビ差2着という接戦を演じた素質馬でもあります。血統背景を見ると、母のリップスポイズンは日本とも相性の良いドイツ牝系で、ドイツG2の1000ギニー勝ち馬、そして父はヴィクトワールピサとなっています。
デビューから2戦は石川騎手が騎乗していましたが、1年経って今回は福永騎手が騎乗します。馬場幸夫オーナーとしても、芝馬の大物といえばダート両刀でもあったアジアエクスプレス以来ともなるだけに、この馬にかける期待度も高いのではないでしょうか。
重賞2着馬ですが収得賞金は1000万ちょうどということで2勝クラスからの仕切り直しとなります。初の古馬相手どころか同世代の3歳馬とも久しぶりの対戦となるにも関わらず、過去2戦の成績と新潟コースでの実績から今回は上位人気が見込まれています。
さすがに1年の休養明けとなるとまずは無事に走って戻ってこられるのが最優先という本音はあるかもしれませんが、出走する以上すこしでも上の着順が狙いたいという欲もあるでしょうし、能力でそのまま押し切る可能性もあります。
相手関係も含めて未知数な部分の多い復帰初戦となりますが、当日のオッズを見ながら狙ってみたい1頭ですね。