先日札幌で開催されたワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)ですが、優勝した川田騎手同様に存在感を示したのが、初来日で3位入賞を果たしたフランスの新進気鋭の女性騎手「ミカエル・ミシェル騎手」ではないでしょうか。日本でも藤田菜七子騎手が今年勝ち星を積み重ねており、減量特典はうまく機能しているといった見方もありますが、今回のWASJでは減量特典もなく、普段騎乗している馬に乗れるわけでもないため、騎乗馬自体の個体差こそあるものの、条件戦においてはオープンクラスほどの力量差は想定されておらず、騎手同士の戦いにおいてはほぼイーブンという条件での勝負になっています。
そんな4戦を振り返ってみると、全てのレースにおいて人気以上の結果に持ってきたというのは一つ腕前を量る指標となるのかもしれません。同日開催されていたキーンランドカップも含めて、もっと騎乗を見たかったというファンも多かったのではないでしょうか。
今回3位入賞の最大の決め手となったのはおそらく第2戦のドゥーカでの4着にあります。40.9倍の12番人気と低評価での出走でしたが、先行有利の流れに上手く乗って4着に粘り込みました。展開に恵まれたとも言えますが、恵まれた展開に持ち込める場所取りなども含めての騎手の実力であり、ミシェル騎手の功績もかなり大きかったと言えるでしょう。
最もポイントとして貢献しているのは第3戦のスワーヴアラミスでの勝利になりますが、4戦全てで獲得したポイントの合計を競うため、上位人気で着実に高得点を取っていくことももちろん重要ですが、本来点数が望めないようなレースでどこまで着順を挙げられるかも同様に大事なポイントとなっていきます。
そういった意味で、調整ルームといった独特のルールのある日本へ初の訪問、当然騎乗するのは初めて目にする競走馬ばかりといった厳しい条件化で3位入賞を果たしたミシェル騎手の実力は相当なレベルであると思われます。
来日前からその美貌で話題となっていたミシェル騎手ですが、もはや話題性だけでなくしっかりと腕前も示し競馬ファンの支持を厚く得たのではないでしょうか。フランスの重賞で元JRA所属のモンドシャルナへの騎乗が決まってもいます。
わずか2日間の短い参戦となりましたが「日本に恋をした」とまで言ってくれたため、今後の再来日にもぜひ期待したいところですね。