今週からいよいよ秋競馬の開幕ということで中山開催が始まります。中山の開幕週を飾る重賞は、名物ハンデ重賞「京王杯オータムハンデキャップ」です。
ここ10年の勝馬の前走距離を見てみますと、1400mから2400mと実に幅が広いレースとなっており、毎年様々な路線から集結します。
2400mのダービーから転じて2016年に勝利したロードクエストもこのレース2勝目を狙って参戦していますが、今年も昨年同様にマイルの関屋記念から駒を進めてきており、今年は大幅な距離短縮・延長となる馬はおりません。出走馬16頭の前走距離は1400mか1600mが中心で、プロディガルサンのみが1800mと珍しくマイル近辺に集まっている点がポイントとなりそうです。
人気は、先述のロードクエスト、プロディガルサンあたりの実績のある古馬陣と、前走中京記念でワンツーとなった3歳世代のグルーヴィット、クリノガウディーあたりになりそうですが、今回とくに注目しているのは、もう1頭の3歳馬プールヴィルです。
プールヴィルは、今年のフィリーズレビューを制して1400mで重賞初制覇を達成。阪神JF・5着、桜花賞・6着、NHKマイルC・12着と、3歳世代のマイルG1路線では善戦止まりといった実績で、今回も出走馬中一番休み期間が長いこともあり、前評判もそこまで高くはなさそうです。
ただ、今回人気が予想されるグルーヴィットとクリノガウディーと比較しても、NHKマイルCではクリノガウディーには先着しており、グルーヴィットともクビ差とそこまで大きな差はありません。中京記念で復帰した2頭のいきなり好走で人気となるのですから、これでプールヴィルの人気が下がるなら買う側としてはオイシイです。
さらに、ハンデは52kgで古馬との比較ではそこまで有利とも言えない差ですが、前走の中京記念を52kgで好走したグルーヴィットとクリノガウディーは、グルーヴィットが3kg増の55kg、クリノガウディーが2kg増の54kgと増えており、差はさらに縮まっている可能性が高いです。
同じ中京記念を戦った古馬勢のハンデはジャンダルムが55kg、レインボーフラッグが54kg、ロードクエストが57kg、ヒーズインラブが56kgと据え置きとなっており、中京記念の上位に来た3歳馬2頭にとってはやや不利な斤量とも言えます。しかし、プールヴィルにとってはこれは好材料。実力にそこまで差はないはずの同世代が通用した古馬陣が同じハンデなら、同世代も古馬勢も出し抜くチャンスと言えるでしょう。
ということで、今年の京成杯オータムハンデキャップは、3歳トップレベルと差のない競馬をしてきたプールヴィルが、52kgの軽ハンデを生かして上位争いしてくると予想します。