夫婦ともに馬主というのは日本でも割りと馴染みのある光景であります。近藤夫妻や里見夫妻など、冠の有無などそれぞれ方針の違いなどあれど、珍しいことではないのかと推測できます。伴侶が長年、大金を投じる趣味というのは家族として見過ごすことは出来ないでしょうし、同じように趣味に没頭するということは競馬に魅力を感じる我々としては想像に難くないことではないでしょうか。
とは言え世界には珍事とも呼べることが起こることもあり、フランスでは「妻の所有馬に夫が騎乗し、重賞勝利」という快挙がおこりました。成し遂げたのは日本でも馴染みの深いオリビエ・ペリエ騎手とその妻でありオーナーでもあるエミリー氏。オリビエ騎手は近年シャンティから南仏へと拠点を移し、現在は競馬場から離れたスペインよりのウルトという街に暮らし、空港との往復を頻繁に行いながら騎乗を続けているという。
現在46歳という年齢もありリーディングからはやや遠ざかっており、リーディング争いにおいても30位前後と目立たないポジションにいるものの、ここぞというレースでの存在感は未だ健在といったところのようです。
今年の7月13日にパリ郊外のラゾンラフィット競馬場で行われた芝1200mのフランスG3のリ=ゾランジス賞に、妻エミリーさんの愛馬キングマルピックで参戦し記念すべき勝利となりました。
日本への来日はすっかりご無沙汰で2012年が最後となっていますが、ワコーチカコやシンボリクリスエスなど、記憶にも記録にも残る競馬を見せてくれたのもまた事実です。
WASJや短期免許などで来日するための水準をクリアするのは昨今の成績では厳しいものがあり、再度の来日をご本人が望んでいるかも定かではないものの、冴え渡る手綱さばきを再度見たいという日本人ファンは少なくないであろうことは予想できます。何にせよ日本にいるだけではあまり耳にすることのなくなってきた名前が故郷で活躍している報道を聞くことができたのはファンとして嬉しいことですし、妻の所有馬で勝利することができたということでダブルで嬉しいニュースとなりました。今後の活躍もぜひ期待したいですね。