以前あった素質馬、良血馬のデビューは2歳秋以降というトレンドも変わってきて、このところは各陣営とも夏から大物のデビューをさせていくケースが増えてきています。それにも関わらず頭数が揃わない2歳オープンは多く、夏に行われた中京2歳ステークスには未勝利馬が出走したり、戦略や思惑が交錯しているように思われる2歳路線。
今週日曜9レースに組まれている芙蓉ステークスはフルゲート17頭に対して登録がわずか6頭と、馬券妙味は薄いレースとなりそうですが、父エピファネイア、母メジロシャレードから生まれたルトロヴァイユにぜひ注目したく、今回とりあげたいと思います。
美浦・竹内厩舎の管理馬で、シンボリクリスエス産駒である半兄には青葉賞勝ち馬のショウナンラグーンがおり、期待のできる血統背景となっています。また、ファミリーラインを辿れば祖母はメジロドーベルがおり、ルトロヴァイユの鞍上もメジロドーベル、ショウナンラグーンの主戦である吉田豊騎手が務めます。愛着のあるメジロの系譜を引き継ぐルトロヴァイユに騎乗できるというのは吉田豊騎手としても期するものがあることでしょう。
相手関係を見ると、少頭数ながら日本では珍しいグレンイーグルス産駒のアルファウェーヴ、エピファネイアの全妹ロザリンドを母に持ち、デビュー戦で後の札幌2歳S勝ち馬ブラックホールを下したオルフェーヴル産駒のオーソリティ、そしてスクリーンヒーロー産駒のウインカーネリアンなど、多彩で面白いメンバーが揃いました。
前走で先行して勝利したのがルトロヴァイユのみということで今回もハナを切る可能性は高いでしょう。収得賞金的には2着では意味のないオープンレースなので年末のG1を目指すのであれば落としたくない一戦です。6頭立てのため馬券購入は見合わせているファンも多いかもしれませんが、ぜひ注目したいレースですね。