順調に勝ち星を積み重ねつつも、待望の重賞には今一歩手の届かない藤田菜七子騎手。先日、自身の手綱で未勝利を脱出した2歳馬グレイトホーンが京王杯2歳ステークスを視野にいれているということで、所属厩舎の管理馬で重賞初勝利となると根本調教師との絆などもあり絵にもなるかと思います。また、今週の東京盃では個人馬主ならではと言える大抜擢を続けてくれているドクターコパこと小林祥晃オーナー所有の期待馬コパノキッキングで四度目の重賞挑戦となります。いい位置での入線を続けているだけに今度こそ重賞初勝利を期待しているファンも多いのではないでしょうか。
前走のクラスターカップでは2番手追走と、近走では見ない位置取りでしたが、勝ち馬のヤマニンアンプリメに外から被せられると怯むような仕草も見せ伸びを欠いた3着に敗れました。一度4着に敗北して以来逃げは封印しているようですが、やはり揉まれないハナや外を回しての末脚勝負のほうがコパノキッキングには合っているのかもしれません。
舞台となる大井競馬場の1200mダートコースは東京スプリントでの2着もあるため相性は悪く有りませんが、2枠2番というのが難しく悩ましい枠順となりました。隣にはダート重賞常連とも言える幸騎手がおり、楽な競馬はさせて貰えそうにありません。今回はマークも厳しくなりそうで、スタートで馬群に包まれてしまう可能性も十分にありえます。
また、和田騎手のグランドボヌールも前目につける馬なので、上手くスタートの馬群を捌けたとしても先行争いは激しいものとなりそうです。とは言え、スプリント戦になるため余り後ろに控えすぎるのも難しい舞台設定ということで、「厳しい枠」としました。
今回は頭数は多いものの、前走より相手関係が軽くなるため、しばらく勝利から遠のいているにも関わらず今回も単勝1倍台に推される可能性はあります。G3では上位人気に推されるものの勝利を逃してきているだけに、3戦目となれば受けるプレッシャーはさらなるものとなりそうです。
平場でも単勝2倍台の馬に乗る機会は多くない藤田騎手にとって、立て続けに人気に推されるというのは得難い経験とも言えますが、一流騎手を目指す上では越えなければならない壁でもあります。精神的には楽であるはずもなく、ベテランであっても皆解決しているとは言えませんが、まずは一つ目の重賞勝利に向けて試練の一戦です。