産駒の22年連続JRA勝利の偉大な種牡馬フジキセキ

種牡馬生活が長ければ長いほどいいわけではないでしょうが、長くないと築けない記録もあります。先月21日の中山8レースに行われた清秋ジャンプSを勝利した8歳セン馬ディライトフルの勝利で、フジキセキが22年連続で産駒によるJRA勝利という記録を達成しました。

22年連続は先に記録を達成したサクラバクシンオーなどと並んで歴代5位タイ記録で、1位は28年のノーザンテースト、2位はブライアンズタイムの26年、3位がパーソロンの25年、4位がシンザンの24年と偉大な種牡馬たちに肩を並べるところまで来ています。サンデーサイレンス系ではトップであり、ディープインパクト、ステイゴールドでは困難な記録という点でも差別化された価値があります。

ちなみに5位タイにはその他にもシーホーク、マルゼンスキー、ミルジョージといった往年の名馬たちの名が並んでいます。

生産者からの長い支持がないことには、長年に渡る安定した種付けも覚束ないほどに海外から大物種牡馬の輸入もあるため、産駒をJRAに出走させ続けるだけでなく勝利にまで繋げるというのは、特に血の飽和が囁かれるサンデーサイレンス系ではかなり難しいであろうことは想像に難く有りません。

フジキセキ自身2010年に種牡馬生活を引退しており、現在現役でJRAに所属しているのは先述のディライトフルと、もう1頭メガオパールカフェの8歳馬2頭のみということで、さらなる記録更新は贔屓目に見ても厳しいのは間違いありません。

来年の勝利の可能性が少しでも高いのは息の長い障害レースを走っているディライトフルかと思いますが、ライバルとなるサクラバクシンオーにも現役産駒は残り2頭、ともに7歳馬でいずれも今年勝利を得ているため一歩リードといったところかと思います。

さらなる記録更新で単独5位浮上となるのか、お互いが勝利して更に高みを目指すのか、はたまた現役種牡馬の中からこの長期に渡る記録に追いつき、追い越す馬が出てくるのか、記憶にとどめておきたい記録ですね。