1991年にフルゲートが18頭となって以降の25年の中でも一番少頭数である12頭しか出走しない安田記念となってしまいました。
まさかGⅠ4連勝中のモーリスや国際GⅠのドバイターフを制したリアルスティールに恐れをなした訳ではないでしょうが、史上最強と呼ばれた先週のダービーの売上が前年比110%だったと盛り上がったところに、それ以上に下がりかねない出走頭数はちょっとつまらないですね。香港のコンテントメントが出走してくれることがほんとありがたい限りです。
そんな少し盛り上がりに欠ける安田記念ですが、絶対的マイルチャンピオンのモーリスには少頭数の展開がゆえにここで連勝がストップする危険があるのです。
少頭数の競馬は、逃げ先行馬が楽になりがちなので基本は逃げ先行馬に有利と言われています。今回の安田記念は逃げ馬が不在なだけでなく、マイルに挑戦してきた的な短距離馬もいませんのでほぼ間違いなくスローな展開となり、究極に近い上り勝負となるでしょう。まさにそこにモーリスの死角があるのです。
ペースがスローでマイルがマイルでなくなる?
モーリスはもともとは追い込みで勝ってきたように末脚は確かなものがある馬です。上り勝負はもってこいと思われがちですが、マイルのペースの中で他の馬との勝負で勝っていると言うだけで、マイルではないペースで勝っている訳ではないのです。そうは言っても、並みの馬ではGⅠを4連勝なんてできません。強い馬であることは間違いないのですが、GⅠに出走してきている馬の中にはマイルではないペースが得意と言う馬もいるのです。
マイルがスローになると1400mや1800m的なペースになると言われることがあります。今回の安田記念はまさにその1400mか1800m的なペースになるのではないかと思うのです。そうなると、東京1800mを快勝しているリアルスティールでやディサイファに逆転の目が十分出てくるでしょう。
リアルスティールの末脚の確かさは昨年のクラシック戦線やドバイターフを見ればわかりますし、ディサイファの末脚の確かさは昨年の毎日王冠や札幌記念を見ればわかります。ともにマイルではないレースでしっかりとした末脚を発揮してきている馬なのです。
少頭数で行われる今回の安田記念は、リアルスティールとディサイファの末脚がモーリスを逆転してしまう可能性が大きいと思うのですが、配当妙味を考えるとディサイファに大きな魅力があります。
余談ではありますが、モーリスの連勝は、アイルランドから短期免許で日本にやってきたフランシス・ベリー騎手が1000万の若潮賞で勝ったのが始まりでした。そして今回、モーリスにはオーストラリアから同じくやってきたトミー・ベリー騎手が初騎乗します。モーリスの連勝は、ベリーに始まりベリーで終わる。なんてことになるかもしれません。
でもそれは決して騎手の問題ではなく、モーリスよりも今回の安田記念においてリアルスティールやディサイファの末脚が上である可能性があるからなのです。配当的にもディサイファの逆転を狙った馬券を買いたいと思います。ベリーに始まりベリーで終わるのか。