勝負事には目に見えない運や流れというものがつきまとうようです。短期的にはこういった波に乗って勢いで押し切るケースも見られますが、長期に渡ってハイレベルな状態をキープするというのは人間のアスリートにしても非常に難しいものと言われています。
今年の上半期の戦績では他の追随を許さぬほどの勢いでリーディングを快走してきた川田騎手でしたが、秋に入りルメール騎手の猛追を受けています。特に先週はルメール騎手が騎乗7連勝と固め打ちをしてきたことで、気づけばその差はわずか3勝にまで迫られてしまいました。今後は短期免許で来日の外国人ジョッキーもエンジンを掛けてくるであろう点を考慮すると、勝ち星の量産というのはさらに厳しくなっていくでしょう。
先週のヴェロックスも1番人気ながら3着と、秋のG1では人気を裏切る結果が続いている川田騎手ですが、今週もまた人気の予想されるダノンプレミアムで天皇賞(秋)に参戦と目が離せないところですが、さらに人気を背負っての出走の可能性が高いのが土曜日東京のメインレースに組まれているアルテミスステークスに登録してきたリアアメリアとのコンビです。
デビュー戦を1.2倍という圧倒的な支持を受けながら勝利しており、先日のワールドプレミア勝利で勢いもあるディープインパクト産駒ということで、再度の単勝1倍台の可能性もあります。ただ、まだ1戦1勝馬というのも一本かぶりの人気に応えられるのか、一抹の不安もあります。
また管理する栗東・中内田厩舎としても重賞の上位人気馬を出走させる以上、2週連続で裏切るわけにもいかず、プレッシャーもかなりあるのではないでしょうか。フリーという立場ながら有力馬では中内田厩舎とのコンビが多い川田騎手としても、安田記念16着敗退のタノンプレミアムともども、今週は結果が欲しいところでしょう。
登録こそ10頭と少ないものの、同じディープインパクト産駒で美浦・藤沢厩舎の期待馬で前走単勝1.5倍の支持を受けたサンクテュエールにはルメール騎手、新種牡馬ワールドエースの産駒で洋芝で2連勝中のオータムレッドには石橋脩騎手との新コンビが参戦など、見所満載のG3になりますので、日曜のみならず土曜の東京競馬にもぜひ注目してほしいですね。