今週の日曜日にはエプソムCと牝馬限定重賞マーメイドSが行われる。牝馬であれば、いくらハンデ戦と言ってもマーメイドSの方が勝利のチャンスはエプソムCよりは大きくなる。しかし、ルージュバックは敢えてエプソムCに登録してきた。斤量54キロも別定戦の為、最初からわかる事なども考慮してなのか?
ルージュバックはデビューから3連勝できさらぎ賞を勝利。強力牡馬陣を一蹴し、桜花賞では断然の1番人気に支持されながらも、道中折り合いを欠き、またマークが厳しく、全く良いところがなく9着惨敗を喫した。この1戦から歯車が狂い出した。続くオークスも1番人気に支持され、あと少しで勝利という所を、ミッキークイーンの強烈な末脚の前にひれ伏す格好となったが、2着はなんとか確保した。
秋は秋華賞には間に合わず、エリザベス女王杯を使い4着。メンバー中、上りタイムは2番目に速い34.2秒の末脚を繰り出すも前を捉える事は出来なかった。そして暮れのグランプリでは人気は6番人気とまだファンは期待していたが、全くいいところなく10着惨敗を喫してしまった。こうしてルージュバックの3歳は終わった。3冠牝馬に輝く素質を持つと言われていたが、結局3冠どころか無冠で終わり消化不良の3歳シーズンだった。
今春のルージュバックの最大目標はヴィクトリアマイル。中山牝馬Sを2着とそれなりの結果を残していざ本番のヴィクトリアマイルでは、いつもよりやや前での競馬も直線前をカットされるロスもあり5着。またしてもG1タイトルはお預けとなってしまった。
普通ならここで放牧に出し、秋に備えてもいい所だが、陣営は放牧に出さず、エプソムCを選択。いくらハンデ戦とはいえマーメイドSの方が明らかに勝ちやすいレースなのは事実。ここ1年のルージュバックの成績からもハンデは重くても56キロ。傾向的に言えば55キロだろう。それでも陣営はエプソムCに拘った。きさらぎ賞などでは輸送を克服して勝ったこともあるため、輸送を嫌ったとは考えにくい。敢えて牡馬と戦わせる事で、しっかり勝利を掴みルージュバック復活Vを決めたい陣営の執念の出走とみていいだろう。