11月に入り、毎週のように2歳重賞が続いている中、今週も東京競馬場では「東京スポーツ杯2歳ステークス」が行われます。8頭立てとかなり寂しい頭数になりましたが、ここ10年を見ると過去の勝馬から3頭ものダービー馬が出ているように、クラシック路線を占う意味ではかなり重要なレースと言えるでしょう。
そんな中でとくに注目しているのは、エイシンフラッシュ産駒のマイネルデステリョです。マイネルデステリョは新馬戦6着の後、前走の未勝利戦を勝利し今回が重賞初挑戦となります。今回の出走馬を見ますと、デビュー時からの評判馬が多く、中でも市場取引価格が1億8千万を超えているアルジャンナ、母親がアパパネで父母合わせてG1・12勝の仔で2戦2勝のラインベック、今週から短期騎乗で日本にやってくるムーア騎手騎乗のコントレイルの3頭のディープインパクト産駒が人気を集めそうです。いずれもクラシック路線に乗ってきそうな馬ばかりで、その他も少ないながら素質馬が揃っております。
エイシンフラッシュもダービー馬ですから素質は秘めているものの、マイネルデステリョはデビュー戦が6番人気、未勝利戦が5番人気と、ここまでのレースでは評判はそこまでです。ただ、この馬に注目した理由は未勝利戦のレース内容を高く評価しているからです。
まず、勝ち時計は2000mで1分59秒8という好時計で、1000m通過が58秒9というハイペースでした。マイネルデステリョは3番手追走から直線で先頭に躍り出ると、そこから直線では番手を進めた馬を交わして抜け出し、2着馬に2馬身半差を付ける快勝を果たしました。
レースとしてはこの馬にスタミナがあることを証明した形になった訳ですが、今回のマイルチャンピオンシップの出走馬を見てみると、ほとんどが上り最速をマークして勝ってきている馬で、多くのレースがスローペースでのものでした。スローのレースを差し切る競馬が悪いわけではありませんが、ペースが流れた時に果たして同じ脚を使えるかどうかは疑問が残ります。
直線だけの競馬なら良い末脚が発揮できても、道中のペースがそれなりに速いと末脚の温存が出来ずに不発に終わるケースは多々あります。ほとんどの出走馬がスローでの切れ味は証明しているものの、ハイペースではそれも未知となります。その点、マイネルデステリョは前走でハイペースで抜け出せる脚を見せているので、とくに割り引く必要はなさそうです。
今回は自身でペースを作っていき、 スタミナ勝負の展開を作っていけばいけば他が戸惑う中で自分は有利に競馬をすることができるでしょう。ということで、8頭立てながら素質馬が揃っている今年の「東京スポーツ杯2歳ステークス」は、スタミナ自慢のマイネルデステリョが最後まで粘ると予想し、重い印を打ちたいと思います。