優劣をつけるべきではないのかもしれませんが、日本競馬において障害レースはオジュウチョウサンのような例外を除いて一般的には平地レースで通用しないと判断された競走馬の受け皿的存在であり、見切りをつけるタイミングというのは様々な思惑があってのことだと思います。特に悩ましいのが良血の高額馬だった場合、賞金額的に障害レースで投資額を取り戻すのは非常に困難になってきます。

そういった意味で、注目したいのが今週土曜の中山8レースに組まれているイルミネーションジャンプステークスに出走してくるフランドルです。血統背景を見るとノーザンファーム生産で父キングカメハメハ、母はソニックグルーヴで名前からもご想像の通り祖母エアグルーヴのファミリーです。

栗東・藤原厩舎の管理馬で、平地での戦績は昨年9月の500万下にルメール騎手を起用し1番人気で勝利、その後は1000万下条件を3戦したものの掲示板にも乗れず2桁着順が2回と大敗が続いたことを受けてか、夏の小倉開催から障害入りとなりました。血統背景からすると少々早い見切りにも思え、勇気のいる決断だと個人的には感じましたが、転向後は2戦2勝と結果的に吉となりました。

障害デビュー戦は3番人気とファンも手探りと思える支持でしたが、終わってみたら3番手追走から抜け出し楽勝、続く新潟競馬場でのオープンレースも2番人気で勝利と障害のセンスを見せつけました。

イルミネーションJSは過去5年のデータを見ると勝ち馬はいずれも3番人気以内から出ており、強い馬が結果を出しているレースということで、今回も主戦の高田騎手で挑むフランドルもおそらく上位人気に支持されるであろうため期待のできる1頭です。

オジュウチョウサンがステイヤーズS参戦ということで、今年の中山大障害もおそらくオジュウチョウサン不在となりそうなだけに、ここも勝利で3戦3勝となると、いきなりの重賞挑戦が中山大障害になる可能性もあります。

今週のG1チャンピオンズカップもクリソベリルの6連勝なるかも注目ですが、こちらの連勝にも注目したいところです。