馬主はあの大魔神佐々木。その佐々木の代表馬ヴィルシーナの半弟シュヴァルグランが、天皇賞・春三着の勢いそのままに、宝塚記念へと挑戦する。
未勝利戦での勝利から、500万下を勝利するまでにかかった時間はおよそ一年。レベルがそれなりに高いレースを戦ってきたとはいえ、牡馬三冠レースとは無縁。
しかし、500万下を勝利してから、連勝で1000万下、1600万下を勝ちオープン入り。日経新春杯こそ二着だったものの、阪神大賞典では見事に勝利。そして迎えた初GⅠの舞台、天皇賞・春。結果こそ三着だったものの、充分にその素質を見せることは出来たと言えるだろう。
実はこのシュヴァルグラン、出走したレースのほぼ半数が今回宝塚記念が行われる阪神でのレース。まさに庭ともいえる舞台。
鞍上の福永騎手は怪我からの復帰後、高松宮記念こそ勝利したものの、天皇賞・春、安田記念など、悔しいレースが続いている。そしてこの宝塚記念では未だに勝利したことがない。嫌な流れ、嫌なデータばかりが先行しているが、ここは上半期の総決算のレース、馬主の大魔神佐々木のように、「締めは完璧」なレースを期待したい。
ファン投票23位という結果をひっくり返し、見事佐々木にとってヴィルシーナ以来のGⅠ馬へ、そして福永騎手に初の宝塚記念のタイトルを、その願いはシュヴァルグランへと託された。