昨年のユニコーンステークスで1着だったノンコノユメ、2着だったノボバカラが古馬ダート路線の重賞戦線で活躍中と言うことで、ほぼ20年前の1997年にタイキシャトルがこのユニコーンステークスを制して以来言われている、このレースで活躍した馬はGⅠクラスになるという格言をまた証明しました。
その昨年のユニコーンステークスで1,2,3着独占していた馬の全てが前走青竜ステークス上位馬だったこともあり、今年は俄然前走青竜ステークス組が人気にもなりそうです。
まずは1着となったグレンツェントはその青竜ステークスで2番人気に推された実力を発揮し断然の人気でレースっぷりも楽勝気配だったアルーアキャロルをしっかりハナ差で差し切りました。おそらく今回は抜けた人気になりそうです。そして4着のダノンフェイス、ヴェゼールあたりもグレンツェントからは離されはしましたが、ともに前々走でオープン戦でも上位に来ているだけに、グレンツェントに次ぐ人気になりそうです。したがって今回のユニコーンステークスも昨年同様に青竜ステークス組が人気=上位になりそう。だと予想されそうです。
ただ、今回のユニコーンステークスは、青竜ステークス組以外に大物が潜んでいます。それが、前走京都の1400mダートで追い込んで勝ったレッドウィズダムです。
レッドウィズダムは、芝でデビューし勝ち切れず、ダートに路線変更したものの、未勝利戦を勝ってからも入着はすれども勝てないレースが続いていました。ところが、前走距離短縮が良かったのか、前半最後方からラストの直線で全馬を差し切るという離れ業をやってのけたのです。まさに鬼脚、かつて史上最高の追い込みと呼ばれたブロードアピールを彷彿とさせる末脚だったのです。1800mダートでは先行も差しもやりながら今一歩だったのが、1400mで目の覚めるような追い込みを決めたのです。
となると、果たして東京の1600mで同じ脚が使えるか?という点が気になるところです。
しかしそれは全く心配なしと思っています。実は、もともとレッドウィズダムの1800m芝でデビューしました。血統面も厩舎的にも長めの距離がいいと思っていたからで、2000mを走れるスタミナも必要と言われる府中のマイルはスタミナ的にはまず問題ないでしょう。そして1800mダートで差して4着といまいちだったのですが、この時は馬体重が504kgで前走からの比較で+10kgと重め残りだったのです。1400mで快勝した時の馬体重が494kgだったので、前走の鬼脚は距離短縮+馬体が絞れたからと判断する方が良いでしょう。今回は東京までの輸送もあるため馬体重が重め残りということはほぼないでしょう。そうなれば、レッドウィズダムが末脚を発揮する条件としては、なんら心配ないのです。
青竜ステークス組上位馬は、いずれも先行、差し(前目)で伸びきる力のあるところを見せてくれました。しかし、レッドウィズダムの末脚はそれ以上に伸びる鬼脚であると確信しています。
ユニコーンステークスは、レッドウィズダムが末脚を発揮し青竜ステークス組をまとめてぶったぎってくれるに違いないのです。そしてユニコーンステークスが今後レッドウィズダムがダート路線の中心を歩んでいく第一歩となるでしょう。今からその末脚を見るのが凄く楽しみです。
(※画像はタイキシャトル)