ダービーにマイルCSと適距離から外れ、メンバーも格上ばかりを相手に戦ってきたエメラルファイト。今回のメンバー構成なら信頼度は一気に高くなる。
春のスプリングステークスでは10番人気の伏兵ながら有力馬のファンタジストを抑えて勝利し、重賞初制覇を果たした。中山の中距離に対応できた点も高く評価できるし、1800mの距離で平均ペースでも最後の直線ではしっかり抜け出せており、ゴール前まで競り合うだけの脚もあった。瞬発力はないが、持続力で押し切る脚がこの馬の持ち味だ。
また、少々遡るが朝日杯FSではスタートで出遅れて後方から進めてペースがスローという中で、直線では後方外から上がり33秒5の末脚を伸ばして6着に食い込んだ。スローでもハイでもある程度の脚が使えるのは強みで、メンバーの格が一気に下がるここなら比較的どんな流れでも好勝負はできそうな気配がある。京都のマイルは3コーナー手前の坂の登りで息が入ってそこからスパートという流れが多いので、スピードの持続力が生かせる展開も十分見込めるだろう。
京都マイルはちょうど1年前の白梅賞を走って勝利しているが、この時はやや時計のかかる馬場で、平均ペースを中団あたりで控えて進み、直線で外に出されてしぶとく伸びて勝利する内容だった。時計のかかる馬場でペースもある程度流れた方がこの馬にとってはよりアドバンテージとなりそうだ。
開幕週なので馬場は重くならなそうだが、長い向正面と直線に近い3~4コーナー、400mほどある最後の長い直線はエメラルファイトの持ち味が生きそうな舞台だ。当日の馬場状態とペース予想によっては印をさらに重くしたいと思う。