競走馬を引退した後の余生といって思い浮かぶのは、種牡馬や繁殖牝馬、あるいは乗馬などが代表的かと思います。ですが、種牡馬は御存知の通り狭き門で、乗馬にしても乗馬クラブの数も乗馬ファンも限られており受け入れにも限界があり、大勢のサラブレッドの引退後に関しては行方がしれなくなることも少なくありません。
そんな中、インターネットを利用した資金調達の仕組みとして近年利用されているクラウドファンディングが、引退馬の余生のために活用される事例が増えてきているようです。
昨年マイルチャンピオンシップに参戦するなど短距離から中距離まで幅広い活躍をしたマイスタイルを手掛けた生産牧場で働く岩岡政利氏をはじめとして、新ひだか町の同士数人で立ち上げた団体「Umaar's」が今年春起業予定となっています。
「Umaar's」は新ひだか町に住む岩岡政利さん、小川季純さん、佐藤史子さんら3名によって立ち上げられたクラウドファンディングで、事業内容は引退馬カフェの運営や、引退馬に関連したオリジナルグッズ製作、馬を意識したローカルヒーローのプロデュースなどを視野に入れており、クラウドファンディングにて協力者を募っております。
猫カフェやフクロウカフェといった動物カフェは国によっては法律によっても制限されている事情などから国内のみならずインバウンドの観光資源としても注目されている分野でもあります。
ノーザンホースパークなどから競走馬のグッズ販売はネット通販でもされていますが、今回は日高の小さな牧場発信となります。財政面では大変なスタートとなりそうですが、私達が毎週競馬を楽しめているのは毎年競走馬を生産してくれる牧場がいてこそという面もあるため、レース以外にも競走馬とのふれあいにも興味がある方にとって、こういったクラウドファンディングという牧場と密なつながりでの支援が出来るようになるのは競馬界の広がりを見せていくかもしれませんね。