【呉竹賞2020予想】セラン、ケンタッキーダービーへの道はつながるか

日本のホースマンにとって凱旋門賞制覇は、これまでの挑戦回数などから、やはり悲願と言われるだけのことはあり、それだけ難解であることは過去の実績から見て取れますが、その他にもアメリカのブリーダーズカップもまた日本調教馬による制覇はなされておらず、欧州の芝レースと併せて米国ダートの層が厚いことはドバイでの成績含めて実証済みといったところでしょう。

アメリカでのG1制覇に強いこだわりを持っていると見られるのが、サンタアニタ競馬場に長期参戦した武豊騎手ではないでしょうか。最近の若手ジョッキーはオセアニア地方へ長期遠征をするのがトレンドとなっているようですが、偉大な先人にならいアメリカで鍛えるというのも悪くない先行投資となるのかもしれません。

今ではケンタッキーダービーへの切符が与えられるようになりましたが、残念ながら勝ち負けに至る馬は未だ現れずといった状況です。アメリカでも通用する馬の山上となるか期待してみたいのが、今週土曜中山9レースに組まれている3歳1勝クラスに参戦予定のアンクルモー産駒のセランです。

札幌で迎えたデビュー戦は圧巻の勝利で、すぐにオープン入りも期待されましたが、続くプラタナス賞では2着、武豊騎手から横山典弘騎手へバトンタッチした前走のカトレア勝では12着の大敗とうまく行かないレースが続いています。前走はテン乗りが原因か、もしくは重馬場になってしまったことか敗因は3戦目ということもあり掴めていない面もありますが、母の父もティズナウということで父、母父ともにアメリカのブリーダーズカップに縁のある血統背景の持ち主です。

また、オーナーはラニやトレイルブレイザーなどアメリカ遠征に積極的なノースヒルズです。ここを勝利して賞金を上積みし、ヒヤシンスステークスで勝利できればケンタッキーダービー参戦、さらには世界の強豪が集まり前哨戦という見方も強いUAEダービー参戦の芽も出てきそうです。

今年も好調な滑り出しを見せている武豊騎手に手綱も戻り、人気の一角を担う1頭にはなりそうですが、前走の大敗や中山競馬場初参戦ということで人気を落とすようなら馬券妙味もあるかもしれませんね。