今週は中山競馬の締めくくりとなる重賞「アメリカジョッキーカップ」が行われます。歴代の出走馬を見ても中距離G1路線で活躍している馬が多く、春の古馬G1戦線だけにとどまらず、秋のG1戦線にさえ繋がる重要な一戦です。今年の出走馬は12頭と少々寂しい頭数ですが、凱旋門賞明けのG1馬ブラストワンピースも出走ということで注目度の高い一戦です。
そのブラストワンピースは別定戦で57kg。前走から大幅に斤量も減りますし、実績的にもここは負けられないメンバーです。斤量面を相対的に考えても、ブラストワンピースの中心が揺るがないように思えます。
斤量面で注目しているのはニシノデイジー。明け4歳ということで今回は55kgで出走となります。古馬との対戦は今回が初めてですし、年末の有馬記念は3歳時は古馬との斤量差が2kgだったことを考えると、1kg差というのはそこまでのアドバンテージには思えないところもありますが、ニシノデイジーにとって今回は斤量差よりも55kgで出走できるということ自体が好材料であると言えます。
昨年はクラシック3戦全てに出走し、菊花賞では2番人気になるなどクラシックの中心を歩んできました。弥生賞4着、ダービーでも5着に好走するも、善戦止まりという結果となりました。相手が強かったこともありますが、クラシック3冠は斤量が57kg。今回は久しぶりに軽い斤量で走れますし、古馬相手とは言えブラストワンピース以外はG3戦線を主戦場とする馬ばかりなので通用する可能性は高そうです。
斤量が56以上のレースは5戦して一度も馬券圏内に入っておりませんが、54kgで3戦2勝2着1回、55kgで1勝3着1回とすべてのレースで馬券圏内に来ております。馬体重は菊花賞時に492kgと馬格がない訳ではないのですが、意外に斤量に弱いタイプなのかもしれません。
近走は後ろからの競馬がほとんどですが、ホープフルSや弥生賞ではもう少し前目の位置取りで競馬が出来ており、斤量も軽くなり小頭数でこのメンバーなら先行しても良さそうです。中山の2200mは後ろ過ぎると難しいので、序盤のポジショニングやどのあたりから動く意識を持つかがポイントとなってくるでしょう。
鞍上はルメール騎手から田辺騎手へと乗り替わり。もともと主戦は勝浦騎手ですが、有馬記念でC.ルメール騎手へと乗り替わりとなり、今回は勝浦騎手に戻さず田辺騎手を起用。“中山巧者”とも囁かれる騎手ですから、好騎乗に期待したいところです。
雨の不安もありますが、重馬場の弥生賞では伸びない内を突いて4着、同じく重馬場のセントライトは届かない位置から上がり最速で5着に好走しておりますので、苦手ということはなさそうです。
ということで、今回は好条件が比較的多く揃っているニシノデイジーの激走に期待して、勝負したいと思います。