2月になり寒さが厳しくなりましたが、馬にとっては過ごしやすい季節になってきました。今週は各地でこの冬一番の強い寒気が流れ込み、京都府も北部を中心に積雪しました。一段と冷え込みが厳しくなる本日は雨の予報も出ており、京都の馬場もますますタフになっていきそうです。
そんな京都の日曜メインはクラシックを目指す精鋭が激突する一戦「きさらぎ賞」です。とは言え例年出走頭数は少なく、今年も8頭立ての少頭数での開催となります。
メンバーは東京スポーツ杯でコントレイルの2着だったアルジャンナをはじめ、朝日杯3着のグランレイ、シンザン記念3着のコルテジア、札幌2歳S・2着のサトノゴールドといった重賞善戦組が多数。これに新馬戦や未勝利を勝ち上がり勢いを付けてきた馬が立ち向かうといったような構図となっております。
そんな中で注目したいのは、前走中山1600mの新馬戦を勝利したギベルティです。オルフェーブル産駒期待の新星で、今回の唯一の関東馬となります。輸送の不利は当然ありますが、それを加味しても魅力は十分ある1頭であると感じます。
まず、今回は新馬戦で手綱を握った武豊騎手の進言もあり重賞に挑戦したという経緯があります。武豊騎手は札幌2歳S・2着のサトノゴールドにもデビューから乗っておりますが、レース後のコメントは明らかにギベルティの方が期待度が高い内容。もともとの予定で今回はギベルティでの参戦ということもありますが、武豊騎手としてもギベルティで挑みたいといのが本心でしょう。
また、今の京都競馬場はかなり重たい馬場となっておりますが、オルフェーブル産駒であれば血統面でも問題はないでしょうし、新馬戦時点の馬体重は524kgと馬格もあり、タフな馬場もこなしてくれそうな恵まれた馬体を持っております。今回は他の7頭がいずれも450kg前後の馬体重で、馬格では頭1つ、2つ抜けております。
アルジャンナを含めてほとんどの馬が上り最速をマークしており、33秒台の末脚を発揮している馬達が多いですが、今の重たい京都の馬場でその力が発揮できるかと言うと、不発も十分にありえそうです。その点、ギベルティは暮れの中山1600mを1分37秒8で勝利しており、かなり時計が掛かる馬場を快勝しております。今の京都の馬場は合うはずです。
直線で抜け出した際はラチに向かってふらつく場面も見られましたが、そこから何事もなかったかのように2馬身差で快勝。“蛇行”しながらも圧勝するパフォーマンスはさすがはオルフェーブル産駒といった感じで、立派に父の血を受け継いでいると言って良いでしょう。まだ若さが残る走りではありますが、素質の高さを十分感じさせる内容でした。
ということで今年のきさらぎ賞は、唯一の関東馬ながら立派にオルフェーブルの血を継ぐギベルティが、馬場の利を生かして重賞制覇を果たしてくれることを期待したいと思います。