競走馬の生産をする上で、母と父の特性から距離適性などを考えていき目標を設定するかと思われますが、まずはダートと芝のどちらに適性がある馬を生産したいか、というのが先立つのではないでしょうか。サンデーサイレンスのように芝、ダート両方でトップクラスの産駒を生みだした種牡馬もいないわけではありませんが、基本的には適性に沿った産駒の活躍を期待するものでしょう。
とは言っても、いい意味でも悪い意味でも生産者の思い通りにいかないことの非常に多い分野でもあり、意図と異なる走りを見せる競走馬も少なくありません。そういった意味で先々楽しみなのが、日曜京都10レースの3勝クラス特別戦・北山ステークスに登録のあるタートルボウル産駒、ベストタッチダウンです。
タートルボウル産駒と言えば今年の中山金杯を制しながら屈腱炎に泣き無念の引退となったトリオンフや、昨年の朝日杯FSでサリオスの2着に入ったタイセイビジョンが代表産駒となっており芝馬を出すイメージのある種牡馬です。そして、ベストタッチダウンの母タッチザピークはキストゥヘヴンやカワカミプリンセスと同世代で、競走馬時代にはクラシックにも進出した素質馬でした。母の父もスペシャルウィークということで血統的には芝馬に偏っているという見方が出来ます。
そんな生産者の意図通りか、芝でデビューしたベストタッチダウンは2戦目で未勝利を脱出しましたが、1勝クラスで掲示板にも載れない内容が続いたことを受けてか、ダートへと矛先を向けました。初出走となった1勝クラスの条件戦では11番人気3着と久しぶりの馬券圏内突入を果たし、その後は2着を経て3度めの正直で1勝クラスも突破し、2勝クラスは連勝で一発突破しました。
鞍上の川田騎手はここ3戦ともにしており相性も良さそうです。ダート中距離ではチュウワウィザードという有力なお手馬のいる川田騎手なので、未だ3勝クラスとは言っても先々ローテーションが重なる可能性もあり、悩まされることになる逸材かもしれません。
京都記念、共同通信杯と注目度の高い重賞が控える今週末ですが、ぜひこちらのレースにもご注目ください。