G1・3勝馬ファレノプシス死す

1998年の桜花賞馬・秋華賞馬で引退レースのエリザベス女王杯を勝利で飾ったファレノプシスが繫養先の北海道新冠町のノースヒルズでくも膜下出血の為亡くなった。21歳だった。

現役時代はデビュー4戦目までは石山騎手が主戦を務めたが、桜花賞からの3歳シーズンは武豊騎手が手綱を取った。非情ともいえる鞍上交代だがこれが競馬。弱肉強食の世界。石山騎手にとって痛かったのは4戦目のチューリップ賞で折り合いを欠きスムーズな競馬が出来ず4着に敗れ連勝を3でストップさせたこと。陣営からしてみれば、桜花賞への最終試験。この試験に落ちた事になる。

3歳時は桜花賞と秋華賞にローズステークスを勝利している。4歳時に勝鞍がなかった。5歳シーズンは3戦のみ。引退レースのエリザベス女王杯を勝利。非常に賢い馬だった。

繁殖牝馬としては産駒に恵まれたとは言いがたいが、個性的な産駒が多かった。ファレノプシスは現役時代脚質に幅があり、様々な展開に対応が出来た。優等生。気性も素直で管理しやすい競争馬。1998年には、JRA賞最優秀3歳牝馬に輝いた。そして2000年には、JRA賞最優秀4歳以上牝馬にも輝いている。インパクトの1番強かったレースは桜花賞だったと私は思うが、みなさん価値観が違うので、別のレースがベストレースと考える人もいると思う。それでいいのである。価値観が是認同じでは楽しくない。今はファレノプシスの冥福を祈ろう。