今年の札幌記念(8/23、G2)に出走予定のトウケイヘイロー(牡6)は久しぶりの勝利へ向けて闘士を燃やしている。行く先々で爽快な逃げを打ってきた日本を代表する先行馬だが、道のりは決して平坦なものではなかった。
過酷な1年を過ごす
最後に勝ったのは奇しくも2年前の札幌記念で、それ以来勝ち星を上げれずにいる。その後のレースの過酷ぶりを見れば勝てないのにも納得がいく。札幌記念を勝った後は東京で天皇賞秋(G1・11着)に挑戦し、冬には香港へ遠征して香港C(G1・2着)で初の海外遠征を経験。帰国したあとは春に国内で一戦した後すぐにドバイへ行きドバイデューティーフリー(G1・7着)に出走し、5月にはシンガポールへ行きシンガポール航空国際(G1・4着)に出走と世界を飛び回った。1年間で3度も海外遠征をし、計4度G1に出走しており、国内でもG2を3戦している。一番脂が乗っている4~5歳の時期とは言え、過酷な一年であったと言えるだろう。
怪我で休養
そしてついに昨年の札幌記念(G2、11着)の後に屈腱(くっけん)炎という陰を患い、長期休養を余儀なくされた。1年前は2着馬に6馬身も差をつけて快勝した札幌記念だったが、この年の札幌記念では昨年同様にハナをきって逃げるも後続に尻を突かれ直線では手応え無く沈んでいった。
心身共に限界だったのかもしれない。
今年は復活の年か
酷使し続けた身体を休めるために長期休養をとって回復に専念した。
そして今年の6月に阪神で開催された鳴尾記念(G3)で約9ヶ月ぶりに復帰した。結果は11着と惨敗だったが、やはりハナをきっていく逃げっぷりは健在だった。そして前走の七夕賞(G3)でも同タイプの逃げ馬メイショウナルト(セ7)にもハナを譲らず7着に順位を上げた。
徐々に調子をあげてきており、復帰3戦目で何かと縁のある札幌記念で完全復帰といきたいところだ。過酷な遠征や怪我に悩まされた2年間だったが、それらを乗り越えてやっとここまで来た。パワーアップしたトウケイヘイローが本領を発揮する時がついにきたか。