それぞれ2歳牡馬G1勝ち馬であるコントレイル、サリオスがともに皐月賞トライアルへ参戦しなかったためレベルを推し量るのが非常に難しい今年の牡馬クラシック路線です。勝ち馬から探ることができないなら実績馬からということで、今週の日曜中山メインレースに組まれている皐月賞トライアル・スプリングステークスに出走するヴェルトライゼンデに注目したいと思います。
池添騎手との新コンビとなるヴェルトライゼンデですが、栗東・池江厩舎にサンデーレーシング、そして池添騎手といえば思い起こされるのは三冠馬オルフェーヴル、及びその兄でありヴェルトライゼンデの父でもあるドリームジャーニーでしょう。大抵の場合はそこまでの器ではない、となってしまうわけですが、ヴェルトライゼンデは半兄に前年の菊花賞馬ワールドプレミアを持つ血統ということもあり期待感は高まります。
今回の登録メンバーを見渡すと、言い方は悪いですが格下相手という感覚は否めず、それだけに今回は試金石となりそうです。
ホープフルステークス2着の他にも、萩ステークスを優勝しており、皐月賞どころかダービー出走の収得賞金水準も十分にクリアしているため権利取りは必須ではないとはいえ、他陣営の邪魔をするというわけではないにせよ今回のメンバー相手に3着に入れないようでは本番で勝負にならないといった気持ちはあるのではないでしょうか。
前述のワールドプレミアは戴冠に時間は掛かりましたが、さらにその上の兄ワールドエースはきさらぎ賞も勝利し、未完の大器とも言われた逸材でした。ヴェルトライゼンデの戦績的にはワールドエースに近い仕上がりの早さも感じられるため、春のクラシックで期待の出来る1頭といえるのではないでしょうか。
ライバルはデムーロ騎手のファルコニアやヒューイットソン騎手のサクセッションあたりとなりそうですが、1枚も2枚も上手の戦績を残しているため、ぜひ勝利で次につなげていってもらいたいですね。