昨今のPOGを構成する産駒のうち、上位を締める要素は以下のとおり、ディープインパクト産駒・ノーザンファーム産馬(育成馬)・関西馬・年内デビューの4つだと考える。終わってみれば今年のダービー1, 2着馬もオークス馬も4つ全てに合致する馬だった。
1着賞金が2億円に増額され以前にも増してダービー馬を指名するゲームという意味合いが強くなったPOGでダービー馬指名のためにはまずダービー出走への確率アップを追求していかなければならないと思うが、改めてそれぞれの今年のダービーへの出走頭数を見ていくと、ディープインパクト産駒6頭、ノーザンファーム産馬10頭、関西馬11頭、年内デビュー馬17頭となる。
年内デビュー馬が有利なのは言うまでもなく、関西馬はこの20年ほど変わらずの安定した勢力、強さ、ディープインパクト産駒・ノーザンファーム産馬は年々勢力を増し、もはやクラシックやGⅠ・重賞はおろか条件戦に至るまで見慣れたパワーバランスでもある。
勝率においてもディープインパクト産駒はデビュー以降2011年からの6年で3勝と5割の確率でダービー馬を排出し、同様に2011年以降の6年でカウントすると育成馬であるオルフェーヴルとディープブリランテを含め4勝がノーザンファーム産馬(育成馬)となる。
ダービー馬過去10年の東西比では関西8勝関東2勝、過去20年では関西17勝関東3勝と関西馬がダブルスコア以上を付けているが、関東で1人気を吐いていると言っていいのが昨年のダービートレーナー堀厩舎だろう。
関東では唯一の3年連続ダービー出走、それぞれが有力馬でもあり、たまたまこぎつけたのではなくダービーから逆算しデビュー・育成している印象を受ける。他の関東厩舎が勝つより堀厩舎がダービー2勝目を挙げる確率のほうが高いのではないかとさえ思え、堀厩舎だけは関東馬という括りで考えないほうがいいかもしれない。
またデビュー時期だがとにかく早さ重視で夏前や夏デビュー組を狙うという一頃の状況よりは焦らず秋デビュー組を待ちたいとは思うが、過去20年のダービー馬で年明け3歳デビューだったのはフサイチコンコルドとアグネスフライトの2頭だけで、昨シーズン注目の良血馬だったエルプシャフトやレーヴァテインも結局ダービーに出走することすら叶わなかった。あまり悠長に構えて年明けデビューになってしまったという状況は避けたい。
しかしもちろんいくら確率をすり合わせても4原則に合致した馬が毎年ダービーを勝つわけではない。毎年有力馬の一角として出走してくる確率は高いと思うが、あとは例えばノーザンファーム産馬の3年連続、ディープインパクト産駒の2年連続ダービー制覇はないだろうとか、4原則をベースに足し算引き算をし2, 3原則馬まで指名候補として考えるのか考えないのかそういう組み立てで指名馬を決定していきたい。