今年は藤田菜七子騎手デビューのおかげで、ずいぶん華やかになったイメージがある競馬界。たった1人で半年ちょっとの間にこれだけの渦・熱を中央競馬に起こすことができただけでも、一競馬ファンからすればうれしい出来事でした。戦績は残念ながら同期の木幡巧也騎手に大きく水をあけられてしまいましたが、大事なのは今年だけじゃなくその先。勝ち鞍を伸ばすことも大事ですが、ルーキーイヤーは少しずつでも陣営の信頼を勝ち取れる騎乗をコツコツやっていくしかないように思えます。
例えば人気薄の馬で上位入線はならずも、6、7着くらいで賞金をくわえて結果を出す。馬券からは離れた話ですが、長い目で見れば地道な努力が身を結ぶのは、苦労人・柴田大知騎手や酒井学騎手などを見てもわかります。
そんな女性騎手に沸くJRAですが、地方にはさらなる猛者がいます。藤田騎手と同じレースで対戦もしていますが、高知の別府真衣騎手。中央にも参戦経験がある腕はお墨付きのジョッキー。
なんと女性騎手で地方競馬最速600勝を達成。もともと女性騎手の人数が少ないだけにライバルは少ないともいえますが、これだけの数字をまだ20代で積み上げてしまう。地方は土日中心の開催のJRAと違い乗り鞍が多くなるとはいえ偉業といえます。
女性というハンデは地方もJRAも基本的にはそこまで変わりません。そういう意味では騎乗数を確保し、かつこの数字を積み上げるまでにどれだけの苦労があったのかと思います。
そして同じ地方では、名古屋にも、まだ23歳の若手、かつ将来有望な女性騎手がいます。つい先日ジャパンダートダービーにもカツゲキキトキトで騎乗していた木之前葵騎手。別府騎手の記録に追いつけるくらいのハイペースで勝利を積み重ねています。G1騎乗条件を満たすまでまだまだ勝利数は足りていませんが、菜七子騎手も偉大な先輩に追いつけ、追い越せでがんばってもらいたいですね!