今週末は3歳マイル王決定戦「NHKマイルカップ」です。近年は波乱決着も多く、マイルやスプリントなど様々な路線からメンバーが集うため各馬の比較が非常に難しい一戦でもありあます。

今年のNHKマイルカップのメンバーを見ますと、阪神JFをレコードで逃げきり桜花賞でも2着に粘ったレシステンシアを筆頭に、3戦3勝で毎日杯を勝利したサトノインプレッサや同じく3戦3勝でニュージーランドトロフィーを制したルフトシュトロームの無敗馬2頭に加え、アーリントンカップ1着のタイセイビジョン、同レース2着から4着の馬、ファルコンステークス1着のシャインガーネット、きさらぎ賞2着のストーンリッジなど重賞で活躍する馬が多数揃いました。

そんな中でとくに注目しているのはアーリントンカップ3着のプリンスリターンです。

父ストロングリターンは、安田記念を2戦して2着1着ですから血統的には東京マイルはプラスに働きそうです。また、前走のアーリントンカップでは、今回人気になりそうなタイセイビジョンの3着に終わっていますが、ハイペースの中2番手から直線では先頭に立ち、ぎりぎりまで粘った結果のものでした。この時逃げた馬や先行馬が二桁着順となった中での3着粘りこみは負けて強しの内容で、展開次第では逆転の可能性も十分だったと言えます。

何よりも注目したいのが、プリンスリターンと原田騎手が出走馬18頭中、唯一の全レース同じコンビであるということです。近年は、外国人騎手の台頭もあり、すぐに結果を出したい気持ちなどもあってなかなか実績の少ない若手騎手の騎乗機会が減っている中で、デビューからコンビをずっと替えずにいることだけでも応援したいところです。

朝日杯フューチュリティーステークスでは、後方に置かれながらも5着までしぶとく伸びてきましたし、函館2歳で3着、シンザン記念2着、アーリントンカップ3着と重賞を4戦いずれも掲示板に載るという結果も残してきており能力は十分重賞級と言って良いでしょう。

原田騎手もまだ重賞は未勝利ですが、プリンスリターンとのコンビの力で名ジョッキーへの成長も期待できるかもしれません。今年のフェブラリーステークスでは、原田騎手と同じデビュー9年目の長岡騎手が、16番人気のケイティブレイブを2着にまで持ってきました。急な乗り替わりだったのですが、それまで調教ではずっと乗っていたコンビだったそうなので、培ってきたコンビ力が活きたのでしょう。

プリンスリターンと原田騎手の相性の良さはこれまでのレースで証明できていますし、長岡騎手の同期として原田騎手も負けちゃいられないと思っているに違いありません。

ということで、NHKマイルカップは、唯一乗り替わりしていないプリンスリターンと原田騎手のコンビが一世一代の仕事をしてくれることに期待して応援したいと思います。