いよいよ春のG1戦線も安田記念と宝塚記念の残り2戦となりました。新型コロナウィルスの騒動も収束しないまま結局全てのG1レースが無観客競馬での開催となってしまいましたが、最期まで春競馬を楽しみたいと思います。
今週行われる安田記念は頭数は14頭と少し寂しいですが、メンバーは素晴らしく豪華な面々が集まりました。G1・8勝目を狙う名牝アーモンドアイをはじめ、昨年のマイルG1を連勝し最優秀短距離馬となったインディチャンプ、昨年秋の天皇賞、マイルチャンピオンシップを連続2着の後、オーストラリアで行われたクイーンエリザベスステークスで3着のダノンプレミアム、桜花賞馬で今年の高松宮杯で僅差で2着のグランアレグリア、昨年の香港マイルを制したアドマイヤマーズなどG1馬10頭に加え、G1未勝利もダービー2着、大阪杯3着のダノンキングリーなど本当に素晴らしいメンバーが揃いました。
そんな中で注目しているのは、G1未勝利のヴァンドギャルドです。前走のマイラーズカップではインディチャンプから0.5秒差の3着となりました。重賞は未勝利で、今回重賞未勝利はヴァンドギャルドの1頭のみで実績的にはどうしても劣ってしまいますが、成長力は確かなものがあります。
今年は豪華なメンバーが揃いましたが、人気馬アーモンドアイとしては珍しいぐらいローテが短く、インディチャンプは前走は勝ったものの中山記念4着がどうか、ダノンプレミアムも昨年16着のトラウマはどうか、グランアレグリアは今の気性で府中マイルはどうか、アドマイヤマーズは今年初戦はどうか、といったように上位人気にもそれなりの不安材料があります。
ヴァンドギャルドは昨年秋に3連勝でオープン入り後、G3東京新聞杯・6着、G2マイラーズカップ・3着と着実に力をつけてきていることがわかります。前走のマイラーズCでは上がり最速32.7の鋭い脚を使って勝ち馬インディチャンプと0.5秒差の3着に好走していますし、もともとサートゥルナーリアやヴェロックスなど世代のトップクラスの馬達とも差のない競馬をしている馬です。いきなり通用する可能性も十分にあると言ってよいでしょう。
展開面を考えても、恐らく有力馬はアーモンドアイを負かそうと多少思い切ったレースをする可能性があるでしょうし、実績のある馬は、その実績を積み重ねるために勝ちに行くのが競馬です。その点、ヴァンドギャルドは実績がない分、気楽に無欲で挑めるでしょう。
鞍上は岩田康成騎手の息子・岩田望来騎手です。まだ重賞勝利もありませんが、なかなか思い切った騎乗をすることで関西の若手でも注目されています。人馬共に無欲に戦えるのが、今回の安田記念です。
また、今週末の東京は雨の予報が出ており、馬場も重くなる可能性が出ています。ヴァンドギャルドは雨が降ったきさらぎ賞で4着、稍重以上の成績は3戦3勝と好成績です。高速馬場での好走実績が多い有力馬にとって不利な材料となりえる道悪が、同馬にとってはアドバンテージとなる可能性もあります。
人馬共に充実期のヴァンドギャルドと岩田望来騎手とのコンビ、重賞未勝利の身でありながらレベルの高い馬たちと良い勝負をしてきた経験、重馬場が見込める馬場と、今回は激走の条件は十分秘めていると感じます。ということで、今年の安田記念は穴馬ヴァンドギャルドの激走に期待した馬券で挑みたいと思います。