リーチザクラウン社台スタリオンステーションへ

スペシャルウィークの大ファンとして、これは非常に嬉しいニュースだった。

現時点でのスペシャルウィーク唯一の後継種牡馬かと思うが、そもそも現役時代に西山オーナーに買われなければ種牡馬になれたかも微妙だったと思う。

初年度産駒の活躍は見聞きしていたが、そこまでセンセーショナルなものだとは認識していなかったし、まして社台が言わば種牡馬として買い戻すような前例はほとんどないと思うので嬉しいとともに驚きのニュースだった。

現役時代はクラウンプリンセスの全弟として橋口厩舎からデビューし、未勝利戦を大圧勝、500万、重賞と完勝しクラシック候補となる。皐月賞はそれまで勝ってきた逃げの手が打てず淀みのないハイペースを先行し惨敗、ダービーは不良馬場の恩恵を受けたのか受けていないのか皐月賞から巻き返して2着。

秋以降もそこそこ活躍するもこの世代の牡馬のレベル的な問題もあったのか古馬には歯が立たず惨敗を重ね、年が明けて母父シアトルスルーという血統背景と脚質的なことで適正があると思われてかダートのフェブラリーSに出走するもそれも惨敗。しかし2歳時の千両賞以来となる芝のマイル戦マイラーズCを完勝し、続く安田記念で1番人気に推されるもまたも惨敗。…と私の競走馬としてのリーチザクラウンの記憶はこの辺りで止まっている。

その後スペシャルウィークの臼田オーナーからライバルだったセイウンスカイの西山オーナーにオーナーが変わるという驚きのニュースがあり、当然服飾も変わり厩舎が変わり別馬のようになったまま引退した印象だったが、ひとまず種牡馬になれたことはよかったと思っていた。

圧勝と惨敗が多くその割に2着も多く、気性的に難しいところはあったが種牡馬としてはそれもプラスに出ているのかもしれないし、種牡馬としての絶対条件であるスピードは間違いなくある馬だった。黒光りした青鹿毛の馬体に馬格もあって見栄えもし、見た目だけで言えば亡きマンハッタンカフェの後釜としての移動かのような印象も受ける。

一方スペシャルウィークのファン目線でリーチザクラウン産駒の活躍を見て思うのは同じダービー2着のインティライミやリーチザクラウンと同期で皐月賞2着のトライアンフマーチは血統的にも魅力があったし、見た目の良さではローマンレジェンドの産駒を見たかった思いもある。

しかしサンデー系種牡馬が溢れかえっても仕方がないし、ある程度競走馬時代の成績を元に種牡馬としての可能性を考えるのは当然かと思うが、サドラーズウェルズの全弟で種牡馬として成功したフェアリーキングなんかは競走馬としては未勝利だったようだし、ステイゴールドのような例もあり、中々現役時代の成績だけで種牡馬としての可能性を正確に計るのは難しいようでもある。