近年、GⅠ馬が秋のGⅠ戦線に向けてのたたき台として選ばれることが多くなった札幌記念。特に一昨年などは、ハープスター、ゴールドシップが凱旋門へのたたき台に選ぶなどかなり重要なレースとなってきています。まあ、安直に『札幌記念をGⅠに!』と言う案には賛成しかねますが、素晴らしいGⅡなのです。
そんな素晴らしい札幌記念、今年は2015年大活躍し年度代表馬にもなったモーリスが出走します。加えてヌーヴォレコルト、レッドリヴェールのGⅠ馬も出走します。とは言え、その他の馬の実績は申し訳ないけどGⅢレベルです。
このようにモーリスを初め3頭のGⅠ馬も出走する2016年の札幌記念で注目しているのはトーセンレーヴです。トーセンレーヴと言えば、あの名牝ブエナビスタの弟という良血でデビューから注目され、ダービーで5番人気になった馬です(結果は9着)。
そんな良血で注目されたトーセンレーヴもダービー以降は重賞こそエプソムカップを勝利していますが、それ以外は期待ほどの結果は出ていません。まあ名馬名牝の兄弟が期待ほど走れないのも、名馬名牝が名馬名牝なのですから当然と言えば当然ですが、やはり期待してしまうファン心理も当然と言えば当然でしょう。
そんなこんなで時は過ぎ、トーセンレーヴも今年8歳となりました。さすがにGⅠ馬も出走するGⅡ札幌記念では、少し足りないと思わせるところですが、いえいえそんなことはありません。
札幌記念の距離は2000mですが、その2000mを大の得意としているのがトーセンレーヴなのです。トーセンレーヴは、デビュー以来2000mを5戦しているのですが、4勝しています。唯一の敗戦となったのが前走の函館記念で10着なのですが、このレース、内々を進みながら4コーナーで前をふさがれる不利があり、内枠で前残りの競馬だっただけに、どうしようもないレースでの結果でした。しかもトップハンデだったので実は着順ほど悪くないのです。
それならば、不利がないことが前提ですが、定量戦の札幌記念はむしろ2000mが得意なトーセンレーヴにとってこんなにいい条件はないのです。しかも人気もかなり落ちてくるでしょう。そうなれば、自分の競馬が出来る訳で、むしろそれは得意な2000mのレースに臨むにあたり、かなりプラス要因でもあるのです。
年度代表馬のモーリスは、昨年の大活躍、今年の安田記念を見ても、かなり強い怪物のような馬です。でも2000mのレースはこれまで未出走です。それなら、2000mの申し子でもあるトーセンレーヴが距離適性でモーリスに勝っても不思議ではない、むしろその可能性は人気の数倍以上あると言えるでしょう。
GⅡ札幌記念。2000mの申し子トーセンレーヴの好走を大いに期待しています!