競走能力がどの程度あるか全く未知数の状態で将来へ期待して億単位の金額が飛び交うのが良血競走馬のセールですが、当然落札価格通りの成績が保証されることはありません。
会場で見た馬体や、血統背景から見た確率や統計、紡がれてきたドラマなどに魅せられ若駒に大きな期待が寄せられることとなりますが、そういった意味で大きな注目を集めるのが落札価格5億8000万円の超高額落札馬アドマイヤビルゴです。
消費税だけで家が建つほどの超高額馬ですが、春のクラシックには間に合わなかったもののここまで3戦2勝の戦績を挙げ、今週日曜中京10レースに組まれているムーンライトハンデキャップで秋の復帰初戦を迎えます。
春は若葉ステークスを制すも皐月賞へは向かわず、ダービー出走に向けて挑んだ京都新聞杯では単勝1.4倍の断然人気を裏切る形で4着に敗退しました。京都新聞杯では前2戦と比べるとやや後ろ目での競馬ではあったものの先行する形は取れていたため、敗因が掴みきれていないところでもあります。
クラシック最終戦の菊花賞へ向けたトライアルに出走しても注目を集める一頭だと思われますが、陣営が選択したのは初の古馬挑戦かつハンデ戦でした。再度2200mを選択したのは前走の敗戦内容を確かめたいという思惑があるのかもしれません。
また、初めての左回りコースへの出走も、東京競馬場で開かれる大レースを見据えたものといった見方も出来ます。
今年の3歳牡馬勢のレベルの高さというのはもう少し時が経たないと判断がつきませんが、夏競馬では札幌記念のブラックホール、新潟記念のワーケアと重賞戦線においては敗戦が続いているだけに、3勝クラスでどこまでこの世代が通用するのかといった意味でも興味深い一戦といえます。
ここで勝利しても菊花賞へ向かうかは未知数ですが、今年はコントレイルが三冠を目指す権利を有しているため、対抗馬は多ければ多いほど盛り上がるところ。
高額馬アドマイヤビルゴの活躍、世代間レベルを計る一戦、そしてコントレイルに立ち向かう一頭となるのか、3勝クラスのハンデ戦とはいえ見どころの多い注目の一戦となりそうですね。