今年は韓国で新たなチャレンジがありました。7月には正式に国際セリ名簿基準委員会のパートⅡ国として承認され、国際レース元年となる今年、栄えある第一回のコリアカップ(GⅠ)、コリアスプリント(GⅠ)がソウル競馬場で11日に開催。どちらのレースもフルゲート16頭がそろい、幸先の良いスタートを切ることができました。
日本からはクリソライト、クリノスターオーがコリアカップでワンツーフィニッシュを決めるなど、参戦初回から上々のスタートを切りました。スプリントでは適距離ではなかったはずの古豪・グレープブランデーが3着。そして、ミリオンヴォルツが5着とどちらも上位入線。日本のダート馬の層の厚さを感じさせる結果となりました。
一方で、開催している韓国から見るとまた違った一面が見えてきます。結果的にコリアスプリントは日本馬は連には絡めなかったものの、勝ったのは香港馬・スーパージョッキー。記念すべき第一回はどちらのレースも地元・韓国馬は手も足も出なかった、といっても過言ではないでしょう。
思い返せば、ジャパンカップも初開催からしばらくは外国馬にやりたい放題といえる走りを見せつけられました。あれから日本の馬産・生産の力は確実に上がった、とわたしは見ています。そういう意味で、今回地元の韓国競馬界からすれば苦いデビューとはなりましたが、想定していた範囲だったのかもしれません。開催を重ねていくうちに、地元の生産・馬産によりいっそう新たな血を入れることにもなるでしょうし、何より「韓国馬での初制覇はうちの馬で!」と燃えている調教師・馬主さんもいるはず。
おそらく輸送がラク、かつ本賞金も高額ということで来年以降も香港・日本からの参戦はあるでしょうし、日本には今年は参戦していませんが1200m向きであろうコーリンベリーなどもいます。韓国には日本からもアドマイヤドンなども種牡馬として行っていますし、お互いに切磋琢磨に励んでもらいたいところです。