若手ジョッキーのお手本・武豊騎手

9月18日に通算4000勝を挙げた武豊騎手。デビューした年はまだスター候補生も、2年目からは見事期待に応えスーパースターになった武豊騎手。数々の金字塔を打ち立て、その記録はもはや破るのは難しいものばかり。破られたことでニュースとなった記録と言えば新人最多勝記録。1989年に挙げられた69勝を、2008年に三浦皇成騎手が91勝を挙げ記録を塗り替えた。後の記録は殆どが記録を破るのが困難なものばかり。

今は体力的には全盛期を越し、往年の輝きは薄れてきているのも事実。しかし、全盛期の時に調教師が若手騎手にレース前、必ず言う一言があった。『ユタカの後ろを走れ。そしてユタカが仕掛けたら、仕掛けろ。』なかなか出来そうで簡単に出来る芸当ではない。しかし、ペース判断がずば抜けている武豊騎手をマークしていれば、仕掛けを間違う可能性は少ない。8着までは出走奨励金が出るので、頑張って8着以内に入れとの叱咤激励の意味もある。

そんな武豊騎手も馬から離れると、非常に後輩思いの良い先輩ジョッキー。若手騎手を自宅に招き一緒に食事を食べるなど、常に後輩の事も何かと目をかけている武豊騎手。この辺りも若手騎手が中堅・ベテランとなって行く時に後輩ジョッキーへの良いお手本を示している。ただ食事をするだけではないのだ。ただ食事をするだけなら誰でも出来る。やはりここは武豊騎手の人柄が全て。なかなかここまで細やかな配慮を出来るジョッキーはいない。