さあ、いよいよ2020年の中央競馬も今種でフィナーレを迎えます。ラストの有馬記念の前に、中山大障害とホープフルステークスと2つのG1が行われ、盛り上がりも最高潮になってくるでしょう。

そのうちの1つ2歳G1ホープフルステークスを予想したいと思います。先週は、阪神1600mの舞台で同じ2歳G1の朝日杯フューチュリティステークスが行われ、未勝利を勝ったばかりのフランケル産駒のグレナディアガーズが見事に制しました。その朝日杯では無敗馬が3頭いましたが、いずれも敗退してしまいました。

今週のホープフルステークスは6頭もの無敗馬が出走してきましたので最低でもこのうち5頭が初の敗退を経験し無敗路線から脱落してしまうわけですから、如何に昨年ホープフルステークスを勝ち、無敗で3冠馬となったコントレイルが
凄い馬だったことがわかると思います。

今年もそんなすごい馬がでてくることに期待しつつ、今年の出走馬で注目しているのは無敗の1頭ドゥラメンテ産駒のアドマイヤザーゲです。

今年新種牡馬のドゥラメンテは、先週まででリーディングサイヤーのランキングで、ディープインパクト、モーリスに次ぐ3番目という素晴らしい成績を残しています。先週の朝日杯FSでも産駒が最多となる3頭出走し、今回のホープフルステークスでも2頭出走していますが、まだ重賞は未勝利なのでそろそろ出てきてもおかしくない頃合いです。

その期待ができるのが、このアドマイヤザーゲなのです。最大の理由は、新馬戦と前走で全く違う良馬場での対応力にあります。小倉競馬場での新馬戦は、開幕最終日で荒れて重たい馬場を馬場の良い外を回ってしっかり伸びきって勝利しました。

次戦の黄菊賞では、開幕2週目で時計の出る馬場で上がり3ハロンを33秒台でかつスローペースを差しきっての勝利でした。この重たい馬場でも走りやすい馬場でも勝利しているところが最大のポイントで、今回最有力と言われるダノンザキッドを含めて有力馬を見ると、重や不良馬場という特殊な馬場経験はあっても、良馬場で違うパターンの馬場をこなしている馬はアドマイヤザーゲだけなのです。

年末の中山競馬場と言えば、開幕近くとは違い、独特の荒れ馬場になることが多いだけに、このポイントはかなりのアドバンテージだと言えます。

ということで、G1ホープフルステークスは、馬場不問のアドバンテージのあるアドマイヤザーゲが唯一無敗を守り切ってG1制覇、加えてドゥラメンテ産駒の初重賞制覇を果たしてくれることに期待したいと思います。ちなみに馬名の「ザーゲ」 は、聞きなれないですが、ドイツ語で「伝説」という意味だそうです。ここで無敗のG1馬となり、伝説となる馬になってくれることでしょう。