皐月賞は最も速い馬が勝つ。ダービーは最も運のある馬が勝つ。そして菊花賞は最も強い馬が勝つと言う格言がある。

しかし菊花賞の場合、近年は菊花賞と同じ京都3000mが舞台であった嵐山Sが無くなってからは、全ての馬に取って未知の距離になる。この格言はかなり昔から言われている言葉だが、勝手が少々変わった今、強い馬を見極めるのは昔よりも難しくなったのではないだろうか。

ディーマジェスティとサトノダイヤモンドの2強対決で間違いないなし？

前哨戦のセントライト記念を快勝した皐月賞馬のディーマジェスティ、そして一方もう一つの前哨戦である神戸新聞杯を快勝したサトノダイヤモンド。この2頭が人気の中心となることは間違いない。特にサトノダイヤモンドの里見治オーナーは悲願のＧ1制覇がかかっている。皐月賞では3着。ダービーではマカヒキに僅かハナ差屈した。これが最も運のある馬が勝つと言われている由縁。格言通りならダービーはマカヒキが一番運があったと言う事になる。そのマカヒキは凱旋門賞に挑戦し、世界の壁に跳ね返され14着惨敗を喫した。

仮にマカヒキが凱旋門賞をパスして菊花賞に出走していたなら、再び3強の戦いになった可能性が高いが、今回はマカヒキはいない。最も運がある馬は不在、サトノダイヤモンドとしては最も速い馬である皐月賞馬ディーマジェスティと最も強い馬の座をかけた闘いが行われる形になる。

2強に迫る伏兵？！長距離で真価を発揮する生粋のステイヤー、ウムブルフに要注意！

問題は順当決着に終わるのか？それとも波乱の結末になるのか？2強と言われるクラシック最後の一冠だが、今年は長距離適正が非常に高い上がり馬がいる。ウムブルフだ。春は1勝馬ながら運よく皐月賞に出走できたがまだ上位陣との差はかなりあり、あえなく10着惨敗。その後自己条件の2400m戦を快勝。続く札幌日刊Sでは2600mの距離をものともせず、2着馬ステイブラビッシモに5馬身差をつける圧勝劇を決めた。

長距離戦を2連勝して駒を進めてきたこの馬を侮るのは危険で、菊花賞で台風の目になるのは間違いない。脚質にも幅があり、捲り戦法なども出来るのは他の陣営にとっては脅威の存在。穴人気となりそうな一頭だ。最も強い馬は、意外と人気の影に身を潜めているかもしれない。