東京競馬の日曜メインは3歳重賞の共同通信杯です。3歳重賞の中でもクラシック戦線で活躍する馬を多く輩出しているレースで、近年は少頭数が続いていますが、ここ10年の連対馬を見てみますと、ゴールドシップ、イスラボニータ、ドゥラメンテ、ディーマジェスティ、スワーヴリチャード、ダノンキングリー、アドマイヤマーズなどなど、錚々たる名馬が出走してきています。
今年もクラシック戦線で活躍しそうなメンバーが揃ったようです。その中で注目しているのは、ハーツクライ産駒のヴィクティファルスです。
非常に言い難い馬名ですが、母父のガリレオということから、ガリレオガリレイが名付けた木星の衛星の中で群を抜いて大きな衛星から名づけられたそうです。
そんな大きな期待が名付けられたヴィクティファルスに注目したのは、馬名通り、大物感漂う走りっぷりです。今回の出走馬にはG1・2着のステラヴェローチェをはじめとした重賞上位馬達と、新馬戦を強い内容で勝ち上がってきた素質馬が揃いました。
ヴィクティファルスも1番人気で新馬戦を勝ちあがってきた素質馬の1頭。新馬戦では好スタートから先行馬の少し後ろにつけ、4コーナーを馬なりで少しずつ位置取りをあげていくと、直線でほぼ先頭に立ち、大跳びながらもブレのないフォームで力強く脚を伸ばして快勝しました。道中は5~6番手と中団の外目でしっかりと折り合うことが出来ており、4コーナーからの手応えも絶好。後続の追撃も危なげなく振り切って、断然の1番人気に応えました。
2着馬との着差はそこまでなく派手さはありませんが、長く良い脚を使えそうなタイプで、東京コースは合いそうなイメージです。また、追い出しを待つ余裕があったところを見ても操作性は高そうな馬です。福永騎手との相性も良さそうな優等生タイプという感じですが、騎乗していた福永騎手は、別の1戦1勝の素質馬シャフリヤール(皐月賞馬アルアインの全弟)に騎乗予定。今回は松山騎手に乗り替わりとなります。
松山騎手と言えば昨年3冠牝馬デアリングタクトとのコンビで全国的に知られるようになりましたし、自身初の年間100勝を挙げ、今年はさらにトップジョッキーとしての名声も広がってきている騎手です。乗り難しさは今の所感じられない馬なので、乗り替わりも問題はないでしょう。
今の東京なら前目からの押し切る競馬がベストか。タイソウを前に行かせての番手先行、もしくは逃げても面白くなりそうです。松山騎手がこの馬でどんな競馬を見せてくれるのか。期待です。
ということで、クラシック登竜門の共同通信杯は、大物感漂うヴィクティファルスがその名の如く大きな勝利を果たし、クラシック路線に進んでくれることに期待したいと思います。