昨年の桜花賞が始まる前の段階で、ルージュバックがここまでGⅠタイトルが取れていない事を予想した人がどれだけいただろうか?ルージュバックは3冠の期待も寄せられていた馬。所有者であるキャロットファームの出資者は大きく夢を膨らませた事だろう。しかし、桜花賞ではまさかの9着惨敗。その後オークスでも1番人気に支持されるもミッキークイーンに敗れ2着。秋は本来のデキには程遠くエリザベス女王杯4着。有馬記念10着と全く能力を発揮出来なかった。本当に昨年は天国と地獄をみた1年だった。
今年、初戦の中山牝馬Sでは2着に入るもまだ本調子ではない。一応春の大目標の、ヴィクトリアマイルに出走するも5着。この後からルージュバックは調教でも覇気が戻ってくる。エプソムCでは、上がり最速の32.8の鬼脚を繰り出して快勝。2着フルーキーに2馬身1/2の差をつけた。その後は秋に向けてきっちり充電し、リフレッシュして挑んだ毎日王冠では、パドックでの気配は絶好。レースでも後方2番手から慌てず騒がず、主戦の戸崎騎手は騎乗し、メンバー中、上がり最速の33.4秒の豪脚、最後アンビシャスをきっちりクビ差捕らえた。
その後の状態もすこぶるよく、至って順調。エリザベス女王杯に行けば更に勝率は上がるが、天皇賞・秋に拘っての出走。毎日王冠で得た優先出走権を使う事になるが、本賞金でも問題なく出走出来るので、余り優先出走権は関係ない。フルゲート割れで行われるのは寂しいが、それでも、エイシンヒカリ・モーリス・ラブリーデイ・リアルスティールなどの強豪が顔を揃えた。ルージュバック念願のGⅠ制覇なるか注目が集まる。