ヤマカツエースは重賞3勝を挙げている実力馬だ。実績だけなら天皇賞(秋)に出走する資格は十分だ。
しかし、昨年の福島記念から今年の中山金杯優勝まではよかったのだが、それ以降の4走はいずれも掲示板確保が精一杯といったところで、宝塚記念に至っては13着と2桁着順だった。
3勝挙げている重賞のうち2勝はいずれも2000mのレースだったことから天皇賞(秋)の舞台に不足があるはずはない。それでも、近走では強力な実績馬や新興勢力の後塵を拝することもあり強気にはなれないところが正直なところかもしれない。
ましてやヤマカツエースの戦歴を見れば東京コースの出走歴は2戦でそのいずれもがマイル戦とはいえ2桁着順。東京コース自体が合わないというのが大方の意見だろう。
しかし、ここで穿った見方をするならば、だからこそヤマカツエースに妙味を見出すこともできるのではないだろうか。
先述の通り近走では成績がぱっとしないものの、前走の札幌記念では圧倒的な人気を背負ったモーリスにコンマ4秒差の5着だった。ハンデ戦ではなく同斤量を背負っての結果である。
先着した4頭を見ても、完全に意表をついた逃げた好騎乗のネオリアリズムに、絶対王者モーリス、菊花賞2着となった上がり馬レインボーラインにヌーヴォレコルトと、充実した相手関係の中での5着なので、さほど悲観するほどの結果ではなかった。
とは言え、今回の天皇賞(秋)出走馬の面々を眺めれば、前走札幌記念よりもレベルが落ちるはずもなく、中距離で実績を挙げた人気馬が集うレースであり簡単なレースではないのは当然。それだけに、重賞3勝もあるヤマカツエースでさえ人気の盲点になりうる。キングカメハメハ産駒であり、実績からも当日馬場が渋れば狙わずにはいられない1頭だ。