昨年の春シーズン、日経新春杯から日経賞を連勝し、「いよいよ本格化か?」と期待されたのがアドマイヤデウスでした。
しかし、本番の天皇賞(春)で3番人気に推されながら大凡走して以来、イマイチ順調さを欠いたままで、2015年シーズンを終えたような感があります。
年が明けて今年に入り、GⅡクラスで3着圏内に来るなどしていたのですが、体調が整わないこともあり、昨年の春までの勢いには到底及ばず、陣営もファンも歯がゆい思いを抱いていたことでしょう。
ただ、今年の秋シーズンは、初戦の京都大賞典でGⅠ馬のキタサンブラック相手に詰め寄る2着となり、久しぶりに期待感を持って次走に臨める状態になっています。
一方で、大きな課題もあります。関東遠征では、皐月賞、ダービー、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念といずれも凡走しており、若干輸送競馬に不安があります。それでも、日経賞を完勝しているため、単に体調そのものや相手関係の問題と言えるかもしれません。とはいえやはり、東京競馬場で3戦して、いずれも掲示板を大きく外している点は考慮に入れなければいけないでしょう。
また、古馬になってからは2000m超のレースばかりを使うようになり、唯一2000m以下で出走したのが昨年の天皇賞(秋)のみとなっているのも、距離不安によるものかもしれませんが、皐月賞こそ凡走したものの、3歳時は2000mを勝ち上がってきた馬です。
こうして見ても、課題は多くあるとは言え、元々潜在能力はかなり高いものがあるため、このレースが今後を占う試金石の一戦となりそうです。